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『しーちゃんと記憶の図書館』第108話
再会の色
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春の風がやわらかく吹く朝、
図書館に一通の封筒が届いた。
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差出人の名前を見た瞬間、
老婦人の手が小さく震えた。
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封を開けると、
中には短い手紙と、一枚の水彩画が入っていた。
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『手紙をありがとう。
あなたと描いた日々の色が、
今も私の筆先に残っていました。
また同じ空を描きましょう。』
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絵には、
かつて二人がよく写生した丘と、
その上に広がる青空が描かれていた。
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老婦人の目から、
ゆっくりと涙がこぼれ落ちた。
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「……また、会える」
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しーちゃんはそっと微笑み、
図書館の予定表に新しい行事を書き込んだ。
『5月15日 特別展・二人の空』
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その日が来るまで、
老婦人は毎日のようにスケッチブックを広げ、
色を重ねていった。
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再会の空は、きっと今まででいちばん澄んでいる。




