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『しーちゃんと記憶の図書館』第141話

宛先のない手紙



図書館に戻ると、

しーちゃんと少年は机の上に手紙を置いた。



宛名も住所もない。

ただ一行──

「また会おうね 夏の終わりに」。



「これ…誰に宛てたんだろう」

少年が小さくつぶやく。



しーちゃんは、古い地図帳を開いた。

川の形、流れ、瓶に描かれていた景色を思い出しながら

場所を探す。



やがて、地図の端に

「旧・水守村」という小さな文字を見つけた。



「ここだわ…でも、もう地図から消えてる」



少年は少し考えて、顔を上げた。

「行ってみよう。もしかしたら、まだ誰かが覚えてるかもしれない」



ふたりは手紙を大事にしまい、

朝一番のバスに乗ることを決めた。


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