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『しーちゃんと記憶の図書館』第140話

瓶の中の川辺



森を抜けた瞬間、

まぶしい光に包まれた。



足元の土はやわらかく、

耳には水のせせらぎが響く。



気づくと、二人は瓶の中で見た川辺に立っていた。

風にそよぐ草、遠くで揺れる白い花。



その向こうに、麦わら帽子の少女がいた。


「来てくれたの?」



しーちゃんが歩み寄ると、

少女は胸の前で小さな紙を握りしめていた。



「これ…渡せなかったの。あの日、川が増水して…」



紙は少し湿っていたが、

そこには丁寧な文字でこう書かれていた。


『また会おうね 夏の終わりに』



少女は笑顔を見せ、光の粒になって消えていった。



しーちゃんと少年の手の中には、

乾いた手紙だけが残っていた。


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