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『しーちゃんと記憶の図書館』第136話

風の灯台



翌朝、まだ陽が昇る前。

しーちゃんと少年は、二枚の地図を頼りに東へ向かった。



小さな丘をいくつも越え、

海の匂いが混じる風が頬をなでるころ、

白い塔が遠くに見えてきた。



「……あれだ」

少年が足を止め、指を伸ばした。



塔は細く、まるで空に吸い込まれるように立っている。

屋根の上には、鳥の形をした風見が回っていた。



近づくと、塔の扉には錆びた鍵穴があり、

しーちゃんが持つ古い鍵とぴたりと合った。



カチリ。

扉の中はらせん階段になっており、

上へと続く薄暗い道を、二人は一歩ずつ登っていった。



頂上に着くと、

古い木箱がひとつ、窓際に置かれていた。



箱の蓋を開けると、

中には小さなガラス瓶があり、

その中に紙切れが巻かれていた。



紙にはこう書かれていた。


「風は記憶を運ぶ。

 次は、光の眠る場所へ」



二人は顔を見合わせ、

新たな冒険の気配に胸が高鳴った。


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