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『しーちゃんと記憶の図書館』第135話
二枚の地図が重なるとき
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古びた便せんと地図を持ち帰った夜、
しーちゃんは図書館の奥の机に広げた。
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机の引き出しから、前に見つけていた一枚目の地図を取り出す。
茶色く変色した紙が、ランプの光に揺れた。
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少年が息をのむ。
「これ……形が似てる」
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二枚の地図をそっと重ねると、
褪せた線と線がぴたりと重なった。
そして中央に、これまでなかった印が浮かび上がった。
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それは、小さな鳥の形をした印だった。
羽を広げ、東の方向を指している。
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「この印……“風の止まり木”の続きだ」
しーちゃんは目を細め、地図を指でなぞった。
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「東へ行けば、きっと……」
少年の声が期待で揺れる。
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外は夜風がやさしく窓をたたいていた。
まるで、その方向へ背中を押しているように。
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「行こうか、次の風の場所へ」
しーちゃんは地図を丸め、革ひもで結んだ。
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こうして二人は、
物語が次に示す場所へ向かう準備を始めた。




