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『しーちゃんと記憶の図書館』第132話

地図を読む瞳



放課後の図書館に、ひとりの高校生が入ってきた。

背負ったリュックがやけに大きく、

肩からは定規やシャープペンの先が少し飛び出している。



「すみません、この日記……見てもいいですか?」


彼が指差したのは、先日預かった**『風の道しるべ』**だった。



「どうしてこの日記を?」

しーちゃんがたずねると、

少年は照れくさそうに笑って答えた。


「学校の図書室で、この日記のコピーを偶然見たんです。

 地図の部分がどうしても気になって……

 もしかして、本物はここにあるんじゃないかって」



ページを開くと、少年の目が輝いた。

「やっぱり……この記号、古い測量記号ですよ。

 たぶん、この辺りの地形と一致します」



彼はノートを取り出し、日記の地図を写しながら言った。

「これ、ただの絵じゃない。

 ある場所へ案内してる……しかも、その場所はもう地図に載ってないはずです」



しーちゃんは、心臓が少し高鳴るのを感じた。

「じゃあ、その場所を探してみますか?」



少年は大きくうなずいた。

「ぜひ。続きを見つけたいんです。

 ……この物語、僕も書き足していいですか?」



それは、50年前に始まり、

そして今、新しい世代に受け継がれようとしている物語だった。


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