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『しーちゃんと記憶の図書館』第128話

小さな朗読会



夕暮れの図書館に、

丸いテーブルと椅子が並べられた。



机の上には、

花瓶に生けた野の花と、

展示から持ってきた数冊のノート。



「今日は、特別な朗読会です」

しーちゃんの声に、

参加者たちは静かにうなずいた。



最初に読まれたのは、

港町の物語を書いた若い女性の日記。


ページをめくるたび、

波の音や潮の香りが、

聞く人の胸に広がっていくようだった。



高校生の女の子は、

祖母と手をつないで座っていた。


読み終わると、

祖母の目から静かに涙がこぼれた。



「お姉ちゃんの声が、また聞こえたみたい」



その言葉に、

しーちゃんは心の中でそっと思った。


「言葉は、時間も距離も超える。

 ただ、聴こうとする耳があれば──」



朗読会の最後、

会場は温かな拍手に包まれた。

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