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『しーちゃんと記憶の図書館』第125話
大人たちの参加
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「この展示、子どもたちだけじゃもったいないな」
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宝物展を見に来た町のパン屋さんが、
そうつぶやいた。
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翌日、
パンの焼ける香りと一緒に、
古びた木のスプーンが図書館に届いた。
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「若いころ、これで初めてパンをこねたんです」
そう言って、パン屋さんは笑った。
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続いて八百屋さんもやって来た。
手には、ちいさな秤の分銅。
「父から譲り受けたものです。
これで計った野菜の数は、もう数えきれません」
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棚は、子どもたちの宝物と並んで、
大人たちの人生のかけらで彩られていった。
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しーちゃんは思った。
「宝物に、大きいも小さいもない。
物語が宿っている、それだけで十分だ」




