スーパーストリーム
《……それにしても初めてでここまでバレットショットを自分のイメージどおりに形を変えられるのも驚きだが紐のところで相手を絡めとる発想がすごい。シアはすごい才能の持ち主だ!》
《えぇ、そんなぁ、そんなことは……そうなのか?!
わたしって実はすごい?
えへへ》
なんか照れるけどすっごく嬉しい。
今のって、魔法使いに憧れて、でも、魔力がなくてなにもできなかった。そんな中、もしも魔法が使えたら、あれをこうすればああなる、こうなる、こんなこともできる!ってずっと妄想していたことの1つ。それが実際にできてしまった。
《シア! 止めを刺すんだ》
と、オプティオンさんの声。
止め……あれかぁ
《止めってあれだよね》
…そうだ! あれだ!》
《あれは……ちょっと……》
《なにを言っているだ。今やらなければいつやるんだ。さあ、腕を組んで叫べ、『オプティマルバースト』と!》
う~ん、あれ恥ずかしいんだよねぇ。でも、やんないと終わんないし……
《はい、はい、わっかりました。
手を組んでと……》
「オプティマルバースト(↓)」
腕がじんじんと熱くなると、目も眩む光の束が地面でのたうつ怪獣めがけて発せられた。
轟音と共に怪獣の体が四散した。そして四散した怪獣の破片を火種にあちこちで森が燃え始めた。
《わっ! わっ! ちょっと、これどうしよう。オプティオンさん、火事、火事よ!!》
《慌てるな。こういう時は慌てず騒がず『スーパーストリーム』の出番だ》
《『スーパーストリーム』? なにそれ》
《まず水をイメージするんだ》
《えっ? 水をイメージする……うんと、水、水、みず……あれ、なんだかひんやりして薄暗いイメージが。これってどこかの湖の底?!》
《それだ!
それを手のひらに持ってくるようイメージして、もう片方の手でその手のひらを押さえるようにするんだ》
《えっと、手のひらをもう片方の手で押さえる……と、うわっ、水が出てきた!?
な、なんでぇ?》
《近くの湖と君の手のひらの空間を繋げたんだ。水圧で勝手に水が吹き出てくる。さあ、手をしっかり押さえて水をコントロールするんだ。火にかけて消すんだ》
《えっ?、えっ?? 良く分かんないけど、こ、こう?》
勢い良く迸る水を両手で制御する。水鉄砲の要領だ。慣れると結構楽しい。あちらこちらで上がっている火の手に水をかけて消して回す。あっという間に消火できた。
《すごい! あっという間に消えちゃった。
……さてと、怪獣も倒したことだから帰りましょうかね》
《いや、待つんだシア。この東の方に微かだが怪獣の気配がするんだか》
《まだ居るの? どこ? わたしには感じられないよ》
《非常に弱い気配だ。もしかしたら私の勘違いなのかもしれない》
《ええ、そんないい加減な!
わたし、仕事あるから。もう帰らないといけないのよ》
《いや、待ってくれ。念のために怪獣の気配を探らないか? もしも怪獣がいるなら近づくことで気配を感じ取れるはずだ》
《ダメだよ。わたし、ギルドの受付なのよ。
こんなところで遊んでいたら『なに、サボってるんだ』って怒られちゃうんだから。じゃ、戻るよ!》
《そうかもしれないが、これはこれで大事なことだ。、もしも、怪獣が……う、うわっ?! シア?! シア!》
オプティオンさんがぶつぶつ言ってきたけど、それを無視してわたしはギルドへ戻ることにした。文字通り、飛んで帰った。




