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空駆ける竜

『……むぅ、ならば仕方ない』


 と、オプティオンさんは言った。


『シア、上に向かって飛んでくれ。高くだ。村を中心にして盆地が一望できる位の高さへ上がるんだ』


 ? 

 良く分からなかったけどオプティオンさんの言う通り空高くへ上昇する。


『下を見て、そして赤っぽい色に集中するんだ』

『? どう言うこと?』

『良いから、赤い色を見るよう。明るい赤じゃなくて暗い赤を景色の中から拾い上げるようなイメージで景色を見るんだ』


 時にオプティオンさんは意味不明な事を要求する。でもまあ、言われたままにイメージしてみた。すると不思議なことに視界、というか、見えているものの輪郭がぼやけてきた。


『あれ? なにか目がおかしい』

『いや、それで良いんだ。もっともっと強くイメージして! そして、赤い部分を探すんだ』


 赤いところ、赤いところ、とぼやけた視界の中で視線をさ迷わせると1ヵ所それらしいところを見つけた。


『あ、なんかWのような形をしたところがあるわ』

『それだ! もうイメージを解いても良いよ』


 イメージを解くと目の調子が元に戻った。その代わり赤い染みも消えてなんの変哲もない木々が繁る森が現れた。


『あれ、染みが消えちゃて森になったわ』

『さっき赤外線が見えるように視神経を調整したんだ』

『せきがいせん……? なにそれ』

『簡単にいえば熱が見えるようにしたんだ。

さっきシアがWの形と表現した所は他のところより熱が高いってことだ。

そしてその熱の高い部分はかなりの大きさがある。つまり、そこに怪獣が潜んでいるんだ。

シア、そこへ向けて急降下だ!』

『えっ?! 急降下? うーん、あまり気が進まないけど。

仕方ないなぁ。えいっ!』


 さっきまで赤い染みの見えていたところ目掛けて急降下する。ぐんぐんと地表が近付いてきた。と、地面(ランディング)まで後数秒のところで当然森が盛り上がると黒く巨大な影がものすごい勢いで飛び出てきた。


『うひゃ!?』


 体を捻る。辛うじて正面衝突は回避できた。体のすぐ横を影が通りすぎるのがわかった。

 慌てて振り返り影を追う。


キュルルルル


 聞いたことも無い不思議な鳴き声が空一杯に響き渡った。

 金色の巨大な鳥が翼をはばたかせながら空を舞っていた。

 果たして鳥と言って良いのだろうかと、すぐに思った。と言うのも鳥には頭が3つもあったからだ。


キュルルルル

  キュルルルル

    キュルルルル

キュルルルル

  キュルルルル

    キュルルルル


 3つの頭は輪唱でもするかのように鳴き続ける。かなりうるさい。そして、せわしい。


『な、なにあれ』

『怪獣だよ。恐らくスズメかなにかが暗黒波及存在に取り込まれたんだ』

『スズメ!? スズメがなんであんなにでっかくなるわけ? しかも頭が3つもあるよ』

『頭が3つの訳は分からないが、暗黒波及存在は周囲の魔力も随時に吸収しているから時間が経てば経つほど巨大になるんだ。この間のカエルもそうだったろう』

『いや、まあ、そうなんだけど……

あんなのと戦うの?』

『そうだ! その為にここまで来たんだろう。

それにもう遅い』

『遅いってなんで?』

『暗黒波及存在と『光の楽園』は互いに相反する存在なんだ。

私たちが近くにいる暗黒波及存在をなんとなく感じられるように暗黒波及存在も私たちの存在を感じることができる。

そして、暗黒波及存在は私たちの存在を感知したら敵として攻撃してくるんだ。

ほうら! 来たぞ』


 オプティオンさんが言うように、その3つ首の魔物、もとい怪獣は私に向かって急降下してきた。くちばし(確かにスズメのそれだった)をぱっくりと開くと火の玉を吐き出した。


「うわっ!」


 小さな悲鳴を上げてなんとか火の玉を避ける。


 ドカン!


 火の玉は森に落ちると大爆発した。メラメラと森が燃え始めた。

 これはマズイと思った。迂闊に避けると森が大火事になってしまう。いや、もしも村に落ちれば大惨事になる。

 そんな私の焦りを知ってか知らずか、怪獣は再び火の玉を吐き出した。


 ど、ど、どうしよう!


 良ければまた森が燃えてしまうし、当たれば間違いなく痛いし熱いだろう。火傷するかもしれない。


『手を前に出して、来るなっ!と念じるんだ』


 オプティオンさんの声が頭に響き渡った。反射的に手を伸ばし、『来るな!!』と念じみた。

 すると手のひらがオレンジ色に発光し始める。光は周囲に広がり四角い板状になった。そこに火の玉が衝突する。

 バチンと火の玉が爆ぜて消えた。

 ちょっとビックリしたけど、森に落ちた時よりも爆発はずっと小さく思えた。それにちっとも痛くもなかった。


『な、なにこれ?』

『オプティシールドだ。かなりのものを防ぐことができる』

『ふえ。すごい』

『よし、次に人差し指と中指でアイツを指差すんだ』

『えっ……こ、こう?』

『そうだ。そして、指先に意識を集中させながら、出ろ!と念じるんだ』

『こう? 出ろ!

わっ?! なんか出た!?』


 指先から白い球が出た。なにこれ?


『体内エネルギーを指先に集中して放つ、その名もバレットシュートだ!

オプティマルスパークよりエネルギー消費が少ないから気安く撃つことが可能だ』

『な、なるほど。これとさっきの盾があればいける!』


 俄然やる気が出てきましたよ!

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