第八話 強くなるために
「それじゃ、私たちはパラズ王国に行ってきます。おそらく3日ほど留守にするからそれまでこのお城を頼んだよアリス。」
明日はルシファの王戦に立候補する日だ。
そのためナタドールとルシファはパラズ王国へ行くことになった。
「かしこまりました。気をつけていってらっしゃいませ。」
この世界では飛竜というのにのって、街を行き来するらしい。
「それと、イサム君とシャルゴも、頼んだよ。」
相変わらず、爽やかな笑顔でこっちを向いてきた。
「はい!気をつけてください!」
「行ってくるね!イサム!」
こちらも相変わらずにっこりと笑ってる。
(ルシファも緊張してないみたい…良かった。)
2人が飛竜に乗り、空高くに飛んでいった。
(あの2人なら大丈夫!それよりもしこの城に何かあったときに、俺が絶対守れるようにしよう!)
何にもできないかもしれない…とナタドールの前ではいったが、そんなんじゃ絶対ダメだ!
(強くなるために、俺が今するべきこと…)
勇はしばらく考えてから、闘技場にシャンデルを呼んだ。
「シャンデル。俺と一対一で勝負してくれないか?」
勇はシャンデルに一対一を申し込んだ。
あの時、シャンデルには勝てていたような気もするがやはりルシファの功績もあったのと、最後の方は時を止めるという唯一無二の能力があるのにも関わらず、シャンデルに動きを読まれ、戦闘不能になってしまったこと。
「新しい武器、試したいんだろ。言っとくが手加減はできないぜ。」
快く受け入れてくれてちょっと安堵した。強くなるために手取り早いのはこれだと思ったからだ。もう誰かの足を引っ張ってしまうのは嫌だ、絶対に嫌だ!
唇を強く噛んでなんとか悔しさを抑えている。
新しい武器、勇は素手だけじゃ七災や冥獣、魔王の討伐に敵わないと思い、時間停止と相性のよい武器を考えていた。
そして勇は木の短剣を取り出した。この能力には接近戦と相性がいいと思ったのと、大剣や弓は使ってみたい気持ちがあるが、重いと動きが遅くなると思った。
限られた時を有効活用するには身軽な武器が1番いいと思ったからだ。
「短剣か…俺も少しくらいなら使えるぜ。」
「うん。少しでいいからお前と戦って何か掴めたらいいと思った。」
勇は短剣を構えた。
そうするとシャンデルも勇と同じように短剣を取って構えた。
「いくぜ…イサム」
シーン。とあたり一面が一気に静かになり、風の音しか聞こえない。
その瞬間。
いろんなとこに飛び回り一気に間合いを詰めた。
とてつもない速さで勇を空中に蹴り飛ばし、空中で勇に詰め寄り短剣で斬りかかろうとしたその時
「時よ‥止まれ!!」
とギリギリ反応して、なんとかやられる前に時間を止めることに成功した。
シャンデルはまっすぐ勇をみていて、本当に後一歩遅かったら間違いなく自分が倒れていたと強く思った。
空中で飛ばされたがなんとか受け身をとって体制を整えた。
時が動き出して、シャンデルの剣が空を切る。少し時を止める時間が長く使えるようになった気がする。
「ッチ、避けられた!!」
(だか、みえたぜ…)
シャンデルは意地悪そうに勇を見て微笑んだ。
(何か企んでる‥すげぇやな予感がするぜ)
直感で感じた。
シャンデルの足に力が入っていくのがわかる。
足を踏ん張ってるだけだというのに地面が割れそうなくらいな気迫と覇気を感じる。
「必殺‥暴風!!」
来る…!
シャンデルは前のように四方八方飛び回り、とても目で追えないくらいにまで、スピードを上げた。
(ちくしょうどうすれば!)
勇はわけもわからないまま、また直感でシャンデルの来る瞬間を見計らった
ビュン!
目の前に何か来た!と反射的に「時よ!止まれ!」と
言って、そこで勇は自分が詰んだことに気づいた。
来ていたのはシャンデルの木刀で、シャンデルは自分の背後にいて、後、一瞬で距離を詰められて終わってしまう!
そう思った勇は投げられた短剣を払い、時が動き出すと同時に一気にシャンデルのくる方向に剣を振った。
が、それを読んでいたと言わんばかりにシャンデルは勇を飛び越え、対角線の壁に移動して、その壁にぶつかる反動でまた、勇の背後に詰め寄り背中を殴った。
あまりのスピードにバァン!!と後から音が聞こえたようだった。
「イサム…わかったぜ、なぜあんたが俺のスピードに1人だけついて来れていたか!」
シャンデルは勇に詰め寄り、こう言い放った。
「お前…の能力、それは時を止めることだ!」
異世界に来て初めて勇の能力が勘付かれてしまった…
人物紹介その4
名前 アリス・フェルディア
見た目:透き通るようなエメラルド色
年齢 16
趣味 ない、常に剣技を特訓してる、いつもはメイドとして働いているが、いざとなったら騎士にもなれる戦闘メイド
特技・体質 風属性の魔法を剣に込めて使える。(みえない斬撃を飛ばせられるなど)




