第三話 貧民街の支配者
「私はマーラ村に行く!!なぜなら王になるために必要な証明紋を盗まれてしまったから!!」
「…えっ!?」
それってかなりまずいんじゃ…
「前、私たちのお城で働いていた執事が実はスパイで完璧に取られちゃったの…テヘペロ」
(かわいい!!!!!)
「ッじゃなくて、それまずくない?」
「そう、だから私たちが向かうのはマーラ村!その盗んだスパイの住処もほとんど目星がついてるからあとはしっかり返してもらう!!」
いや絶対そんなうまくいかないだろ…と半分思いつつもさっきのチンピラと戦った時の魔法を間近で見ているので戦いが起きてもこの子ならなんとかなるんじゃ…と思ってしまう。
(いやいや、俺が守らなきゃダメだろ!男としてというか流れ的に!)
そうこうしているうちにもうマーラ村の貧民街についた。
周りを見てもすごく嫌な感じ。
ゴミは落ちてる、いろんな家があるがところどころボロ臭い。
(いつ襲われてもおかしくないんじゃ…)
すでに足が震えていて守るどころかルシファの足をひっぱるんじゃないかと思ってきた。
「ここが、あいつが住んでる場所。」
他の家に比べたら少し立派だ。
コンコンコン、ルシファが優しくドアをノックする。もっと豪快に行くものかと思っていた。
「もしもし!あなたに用があるの!開けてもいい?」
「…」
何も応答がないので仕方なくルシファはドアを開けた。ガチャ、部屋1人もおらず、1人で済むとしたらかなり広い武器や食料、酒まで充分に揃っている。
おそらく食料やお金も盗んでいる、ここ貧民街の支配者なんだということも理解した。
「誰もいない…?」
その瞬間。
「バンッ!!」と床を大きく蹴るような音がした。
それと同時にルシファめがけて拳がとんできた。
顔見えないくらい早かった…ルシファは反応すらできなかった。
「ゴンッ」という鈍い音が聞こえ、衝撃が強かったので埃が舞ってよく見えない。
やがて視界も見えやすくなり、その時やった状況を理解した。
倒れていたのは、ルシファを襲った小柄な男の子だった。
「すげえ間一髪だった!」
勇だけがあの攻撃に反応してそれと同時に男を殴っていた!
「い、痛ぇ、なん、で…」
男は困惑して何が起こったのかよくわかっていなかったが、必死に平気を演じて、
「な、なにもんだ!たまたま当たっただけで調子に乗るな!!」
と言ってきた。
勇もたまたまだと思っていて咄嗟に、「すみません!!?」と言ってしまった。
「証明紋返してもらうぞ!盗んだのがお前っていうことはもうわかってるんだからな!」
ルシファの勢いに乗ってさっきまでビビっていた勇も
「そ、そうだそうだ!!」とヤジをいれた。
「あぁ、あの紋章か、残念だがそれは返せねぇ、あれは高く売れるからなぁ。」
「ふざけるな!そんな理由で大切な証明紋を奪わないでよ!」
ルシファは怒った。
「そんな理由…か、俺は裕福に暮らしたい!金があれば食料が買える、家や土地いろんなもんが買えるようになる。そしてそれは俺を快適にさせてくれる。快適は俺の人生を充実させてくれる!人の生きる意味は充実じゃないのか?それに従って何が悪い!真っ当な理由じゃねえのか?」
それがどれだけ悪い事言っても自信満々に筋が通ってそうな話をすれば説得力があるように思えてしまう。
そうして周りは呆れてそいつに何も言わなくなってしまう。
それでも、悪いことは悪いと伝えなければならないことがある。
「お前がやっているのは盗みだ。盗みは悪事だ、悪事を働けば、信用をなくす、信用がなくなれば、周りに誰もいなくなる、そして孤立する。それは敵を作り、お前の人生の障がいになる。そこに充実した人生なんてやってこない!」
「さっきからごちゃごちゃうるせぇよ、右の女はもともと知ってるがオメェマジでなにもんなんだ?」
「佐久間勇、お前を倒す奴の名前だ!」
男はケッと俺たちをバカにするように笑った。
「シャルゴ・シャンデル、お前らまとめてぶっ飛ばす。」
人物紹介その2
名前 シャルゴ・シャンデル
見た目:紫がかった髪色で、歯並びがちょいワル、八重歯ある、骨格からして幼く見えるけど普通におっかない
年齢 14
趣味 とにかく走る!!トレーニングとか
特技・体質 影分身を習得するのに奮闘中 戦いの中で生きてきてるので痛覚鈍くなってきてる。




