第十四話 帰還
「オラオラオラオラオラ!!」
絶え間ない量の斬撃が勇を襲う
(さっきまでより攻撃速度が上がってる?これじゃどれだけ短く止めただけでも全然インターバルが上回ってしまう!)
だか勇はスルスルっとレーヴェの攻撃を避けていく。
(わかるぞ…!どこに攻撃が来るのか、正確に、確実に!!)
「これならどうだ!!」
レーヴェは勇を蹴り飛ばし、軽々と吹き飛ばして向こうの木にぶつけた。
「ガハッ!?」
ゆっくりレーヴェが近づいてくる。勇はゼェゼェ息を吐いて脂汗を流しながら必死に呼吸をしている。
「最後に…何か言う事は。」
勇は必死に笑って苦しさを紛らわせている
「ハァハァ、俺の…勝ちだぜ…レーヴェ」
その瞬間、背後にアリスが剣でレーヴェを串刺しにした。
そこの木には勇の姿はなく、アリスのそばに倒れ込んでいた。
「ハッ!!」
そのままスパーンと両手を切り落とし、レーヴェの自由を奪った
「何!?」
〜十分前〜
「単刀直入に言うぜアリス…俺は、時を止める能力を持ってる」
「…!?」
アリスは少し驚いた後すぐに、いつもの真剣な顔に戻った。
「あんまりびっくりしないんだな…まぁ流石、冷静沈着な騎士様だよ」
「今は時間がないもの、驚くより聞かなければならないことが沢山あるわ」
「おーけー!まず、俺が攻撃を避けられているのはこの能力のおかげ…だからあいつの注意を引くのは俺の役目だ。だからアリスは隙を見てできれば殺さず、串刺しにするような形であいつを倒して欲しい!」
アリスは少し笑みをこぼして、コクリと頷いた。
「これでお前は何もできない、俺たちを殺せない、自分を殺せない…俺たちの勝ちだ…!」
「本当にこんなにうまくいくなんて…ちょっと見直したわイサム」
「ンフー。いくらでも感激しちゃって!」
自慢そうに腕を組んでアリスに格好つけてる。
「あーら。ずいぶんやられちゃって〜」
その瞬間、さっきまで串刺しにされていたレーヴェの姿が一瞬で見えなくなり、ビュンと勢いのある風が勇達を横切った。
「ヴィシャモン・クロイツ…!」
アリスが険しい表情でクロイツを睨みつけた。
「レーヴェ、スキルを使いな」
そう言った途端にレーヴェを剣でスパッと切って、あっという間に復活してしまった。
「生きた心地がしねぇ…」
顔が青ざめて気分を悪くしていそうにしていて、とても戦えるような状況ではない。
勇がハッとしてクロイツに尋ねる。
「おい、まてシャンデル…シャンデルはどうした。」
「あ〜あの速い子か、ほら、こいつの事だろ?」
そういって勇達のもとにボロボロのシャンデルが放り出された。
「いや〜強かった。久々に背筋が凍ったね!その子はまだ若くて強い、だからこそもっと強くなって僕の糧とするために今回は半殺しで済ませてもらったよ」
ブワッと湧き出る怒りと共に、シャンデルでも勝てないような奴に果たして、俺とボロボロのアリスが勝てるのか?という感情が混ざり合い勇はただ自分の唇を噛み締めることしかできなかった。
「アリス…シャンデルを抱えて逃げろ」
今の勇にはこれぐらいしかできることがなかった
「は!?何を言ってるの?仲間を頼れってそう言ったのはあなたでしょ!?そんなこと許される訳ない!」
「俺だったらまだ時間を稼ぐことができる!今お前がいたところでできることなんてそれぐらいしかないだろ!!」
「でも…!」
「このまま3人とも死ぬくらいだったらお前達だけでも逃げる方がよっぽどマシだ!わかってくれアリス!」
クロイツの剣が緑色に光り出す。
「そろそろおしゃべりは終わりかな〜早くしないと怒られちゃうもんだから」
そういうと、ものすごい速さで勇に突撃した。
「君とシャンデルの技を複合した技だ!虚空閃!」
「時よ止まれ!!」
アリスとシャンデルを押し除けて、なんとか技をかわす、と同時に時は動き出す。
「あれ〜かわされちゃった僕の新技なんだけどな〜」
もう2人はボロボロで逃げることすらできなくなってしまった。
「ごめんごめん辛いよね〜でも避ける君たちが悪いんだから…次は潔く死んでくれ」
(く…そ、俺の異世界生活が…)
意識がどんどん遠のいていく…
「…」
「………」
その瞬間、勇はまた太陽のような美しい炎を見た。
「ファイヤーボール!」
「!?」
クロイツが剣でかわし、驚いたような顔をした
「遅くなったねイサム、アリスもシャンデルも…よく耐え凌いだ」
ルシファとナタドールが助けに来てくれたのだ
「もう逃げられないから!!」
ルシファとナタドールが片手をあげ、巨大な炎のが成形され始める。
「ッチいつも間が悪りぃぜ!こいつらは」
「ナタドール…噂は聞いてますよ…全ての魔法を完璧にこなせる大魔導師だと」
「恐縮だよ、君たち七災だろ?そんな有名人に認知されるなんて」
(す、すげぇ!)
あんなに苦戦七災があんなに冷や汗をかくなんてこいつそんなに強かったのか
「いきますよ!ルシファ様!」
「えぇ!ファイヤーボー!!」
巨大な炎の玉がクロイツ達を襲う
「ッククク本当に規格外だ!今日はもう潮時かな〜、レーヴェ、撤退だ!」
「え!?お、おう」
バァァン!!とものすごい音をたててあたり一体が見えなくなった。
(なんて威力だよ!)
勇はアリスとシャンデルに覆い被さって、吹き飛ばされずに必死に耐えている
いつのまにかクロイツ達の姿はなく、どこにも見えなくなってしまった
「逃げられたね…なんてスピードだ、でもよく僕たちが来るまで持ち堪えたね!イサム」
「そうだよ!3人とも傷だらけで大丈夫!?」
ルシファ達が勇達の方に駆け寄る
「あぁ、大丈夫、だいじょ…バダン」
そのまま勇達は気絶してしまった
「よほど苦戦したんだろう早く城に戻って休ませてあげなければ」
ナタドールとルシファは3人を運び、城に戻った
(イサム…君の覚悟見させてもらったよ、やっぱり君は僕の期待通りの子に育つ…!)
「ナタドール?何ニヤけてるの?」
「いや、なんでもありませんよルシファ様」
こうして、七災の襲撃をイサム達はなんとか乗り越えた。




