表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/43

会議

 


 ジン達がそろそろハルバートに着きそうな頃、ハルバートでは......。



「一体どう言うことですねん!?」

「私が知るわけないだろうが!? 私に聞かれても困る!」

「み、皆さん、お、落ち着いて、ください」


 ここは魔法学園都市ハルバート、最高幹部会議室。


 そこで数人の男女が言い合いをしていた。

 混乱している男性にそれを宥める女性。会議というには少し騒がし過ぎる空間だった。


「とりあえず、皆の者落ち着くのじゃ!」

「「「......」」」


 この場で一番歳を取っている男性が声を荒げると、場は先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返る。


「おほん! では、まず今起きている事の説明をニーナ君、説明してくれるかの?」

「はい」


 ニーナと呼ばれた女性は、男性に指名されると静かに立ち上がる。

 黒髪ロングで黒の眼鏡を付けており、何処か秘書のような雰囲気を醸し出している。


「まずは、現状我々に起こっている事の説明をさせて頂きます。現在、ここハルバートに多数の竜が真っ直ぐ向かって来ております」

「「「......」」」


 ニーナの言葉にわかっていたことだが、改めて聞く事の重要さに全員が息を飲む。


「竜の数はおよそ十体、ほとんどが上級竜と思われます。しかし、問題はここでは無く、その上級竜の親玉と思われる竜が、伝説の超竜だという事です。これは有史以来、数える程しか無い事で、非常に対応に困っております」


 淡々と事実を述べていくニーナ。

 この国にとって、普通の竜であれば問題はないのだが、『相手が伝説の超竜』この言葉が、事態を大変ややこしくしている。


 勇者がいる国というのは、他国からあまり良い目では見られない事から、軍事的戦力はある程度確保している。だからこそ、上級竜程であれば問題無く対処ができる。


「一方、こちらの戦力は勇者が一名、ハルバート軍の騎士が三千名程です」

「三千だと!? 何故そんなにも騎士が少ないのだ! 勇者もだ! 何故一名しか居ない!?」


 ニーナの言葉に反応したのは、筋肉ムッキムキの頭をピカピカと光らした四十代ほどの男性だった。

 この男性は、ハルバートのギルドマスターをしているクロウという人物で、会議が始まる直前に言い合いをしていた内の一人だ。


 先ほども言ったように、ハルバートは他国からあまり良い目では見られない為、軍事的戦力は他国よりも持っている。

 なので、騎士が三千人というのは少なく、本来であれば三万人は居るのだ。

 勇者に関してもそうだ。ここに居る勇者は一人ではない。二人居るのだ、それが今は一人しか居ない。

 そこにクロウは異議を唱えたのだ。


「現在、勇者一名とほとんどの騎士は隣国が宣戦布告まがいな事をしてきた為、これを撃退に向かっております。そして、勇者達が敵を撃退し、ここに帰還するよりも竜達がここに到着する方が早いと思われます」

「くそっ! 何でこんな時に限って戦争なんか仕掛けて来やがるんだ!」

「いや、恐らくじゃが......竜達はこの事を知っていて、ここに攻め込んだと考えた方が良いかもしれんのぉ」


 竜達は普段、群れて行動することは少ない。

 だが、圧倒的な支配者などがいる時は、それもこの限りではない。

 カムイが竜王をしていた時は、まとまってはいたが統率は取れていなかった。それはまぁ、所謂強さはあれど、王としての器が無かったからであろう。


「今回上級竜達を率いているのが超竜というのならぁ、その話は真実味を帯びますねぇ」

「クレア君から見ても、そう思うかね」


 クレアと呼ばれた女性は、ハルバートにおいて軍の魔法部門のトップに居る人だ。

 赤く長い髪に赤く垂れた目、だが、肌は白く透き通っており、かなりの美人でお姉さんの様な雰囲気を纏っている。

 しかし彼女は、見た目に反して、ハルバートだけ無く、世界的に有名な魔術師でもあり、全てを灰に変えてしまうような火魔法を扱う事から『灰燼姫』という二つ名が付いている程の実力者だったりする。


「上級竜がぁ、超竜に進化する過程でぇ、非常に高い知能を得るという研究結果をぉ、古い書物で見たことがありますからぁ、恐らくぅ、校長の言っていることはぁ、間違ってないですよぉ」


 なんとも気の抜けるような声と間延びだが、本人は至って真面目であり、竜のことで焦っていることは間違いない。


「と、とりあえず、じゅ、住民の、ひ、避難を、さい、優先に、こ、行動、しましょう」

「そうじゃな、ウィンはこの会議が終わり次第、住民の避難を開始してくれ」

「は、はい!」


 ウィンと呼ばれた女性は、綺麗な緑の髪の小柄な人で相当な恥ずかしがり屋な性格だ。

 そして、何よりも揉め事があまり得意ではない。だが、彼女は軍のトップにいる。

 見た目は完全に文学少女といった感じで、牛乳瓶の底メガネがよく似合いそうな女性なのだが、見た目に騙されるなかれ、それでも軍のトップである。


 よく軍に入りたての新人騎士に子供と間違えられ、嫌な思いをしているという。だが、それは本人だけの細やかな悩みだったりする。


 それでも、彼女は幸か不幸か、類稀なる剣の才能を子供の時に見出し、争い事が嫌いな事から、争いを無くそうと軍に入り、今の地位まで上り詰めたのである。


「じゃあ、わいは早急に武器などの戦闘に必要な物を掻き集めさせてもらいますわ!」

「ああ、その辺りはガラヒョウに任せるわい。金に糸目は付けんとまではいかんが、そこそこなら出せると思うから、金に関しては気にせんで良いぞ」

「さすが爺さん! 任せとけ!」


 ガラヒョウは、この国で一二を争う商人であり、取り扱っている商品は様々。

 石鹸やタオルなどの日用品から、パンや野菜などの食品も扱っている。だが、そんな中でもガラヒョウ商会でもっとも売れているのは剣や鎧などといった武具なのである。


 彼の特徴としては、何と言ってもやはり何処か違和感を覚える関西弁だろう。

 あとは、髪が金髪で見た目が完全にチャラ男ということだろうか。商人が金髪というのは、商人としてどうなのかと思うが、本人いわく『これはお金の金と、金髪の金を掛けたんやで! 最高にクールやありまへん?」だそうだ。


 まぁ、これで成功しているのだから、誰も文句は言えないだろう。


「それでは、皆の者。各自最善を尽くしてくれ! 我ら、剣と魔法のハルバートに栄光あれ!」

「「「「はい!!」」」」


 そして、会議は終わりを迎え、各々の役割を果たそうと扉から出て行く。


「ふぅ、なんとかせねばな......」


 誰も居なくなった会議室でクレアに校長と呼ばれた、長い髭を生やした男性は、ため息と共に言葉を漏らす。


 ハルドリア=ハルバート。

 それがこの男性の名であり、ここハルバートを治めている人物であった。








他の作者さんの作品を見てると、『おもしろ!』って思います。

でも、自分の見てみると、『なにこれ、ただの作者のお○にーじゃん......』って思ってしまって仕方ない、今日この頃です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ