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降下



ハルバートまで、あと半日程の場所。



「ん? なんか、ハルバートやばくね?」


ジンが不意に言葉を発する。


「どうしたんですか、ジン様?」

「いや。リア、ちょっと質問なんだけどさ? ハルバート対超竜ってどっちが強いと思う?」

「と、唐突ですね。人の味方をする訳ではありませんが、ハルバートの軍事力はトップクラスなので、討伐は無理にしても撃退くらいは出来るんじゃないでしょうか。」


いきなりのジンの質問に少し困惑しつつも、リアはジンの質問に答える。


だが、そこにカムイが口を挟む。


「私は竜が勝つと思うなぁ。多分、超竜相手だとリアが百人居ても勝てない」

「まぁ、実際のところは分からないよな。で、話は変わるけどさ......」


ジンの歯切れの悪い言葉にカムイたちはジンを不思議そうな顔で見る。


「今、ハルバート、その状態だわ。」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ジンさん! その情報は本当なんですか!?」

「あぁ! なんせ俺の索敵魔法に引っかかってたからな!」


二人とも声を大にして話している。

それほどまでに焦っているのか? いや、この後に及んでジンが超竜というだけで焦るわけもない。


いや、リアはしっかり焦っているが......


では、なぜこんなにも声を大にしているのか。


「ジン様、ジン様。た、高い。」

「え!? なんだってプリン!」

「高いです! なんで空飛んでるんですか!?」


現在地、雲の遥か上。高度六千メトル。


「ジン。そろそろハルバートの上空だよ」

「了解だ! じゃあみんな飛び降りようか! スカイダイビングだぁ!!」


リアとプリンはジンの言葉を聞き、ポカンとしている。


それが普通の反応だ。リア達は決して間違っていない。


「え、ジン様!? なぜ飛び降りるんですか!?」


リアよりも少し現実逃避から帰って来るのが早かったプリンがジンに人として、当たり前の質問をする。


「いや、なんでって。そりゃ、かっこいいから?」

「「!?!?!?」」


元の世界ではスカイダイビングというものをして見たかったのだが、なにせ引きこもりだったため、『してみたい』という気持ちはあっても、『しよう!』という気にはならなかった。それに資格とか良く分からなかったし。

だが、ここは異世界だ。資格も何も必要ない。


竜に乗って、飛んで、飛び降りるだけ。これだけでスカイダイビングだ。

まぁ、竜に乗れる人は少ないのだから、竜に乗れることが資格といえば資格なのかもしれない。


「あ、でも別に理由はそれだけじゃないぞ?」

「なんですか?」

「今回は勇者の力も見て見たいから、すぐに戦闘には参加しない。だから、そのためにはバレずに戦いが良く見えるところに行く必要がある。ってことで上空からスカイダイビングして、一番高い建物に着地するわけだ」


さも、当たり前かのようにジンは淡々と説明して行くが、この作戦には問題点がある。


「で、でも、落ちてると着地した時の衝撃で死ぬんじゃないですか? それに生きていたとしても、音などでバレるんじゃないですか?」


それに気付いたのは、リアだった。

当然のことだが、上空六千メトルからスカイダイビングをすると速度は半端ではないことになる。

そうすると、着地した時に普通死ぬ。生きていたとしても、ただでは済まないし、絶対にバレることになる。


考えても見て欲しい。


竜との戦闘中に空から謎の物体が降って来るのだ。

普通なら竜のスキル、もしくは新手の敵だと思うだろう。


「まぁ、そうだな。だから、その辺は各自最適な方法で降りてきてくれ!」

「え、ちょ! 私そんなこと出来ないんですけど!?」


ジンが当たり前のように言った言葉に対して、リアが反論する。


普通の人間に上空六千メトルからのスカイダイビングで無傷な上に、上を見上げている人に気付かれず、降下なんてマネは無理過ぎる。


「いや、俺は出来るし、多分カムイも出来るだろ」

「出来るよ〜」

「で、でもプリンは無理ですよね!?」

「その辺は大丈夫だ。プリンは俺が抱えて飛び降りるからな」

「じゃ、じゃあ私も抱えて飛び降りてくださいよ!」

「すまんな、乗車店員は一名様だけだ」


リアがジンの説明を聞いて、絶望感溢れる顔になる。

ジンも流石に、これはダメだと思ったのか、カムイに相談をする。


「カムイ! リアをどうにか出来ないか?」


カムイはすでに、ハルバート上空に到着しており、ホバリングの状態で止まっている。


「ん〜、出来ないことはないけど。めんどくさいなぁ」

「そう言わずにやってあげてくれ、リアが、今にも泣きそうなんだ。泣かれると非常にめんどくさい、そんで早く行きたいから、な?」


ウルウルと今にも泣き出しそうなリアを横目にジンがカムイを説得する。


「仕方ないなぁ、じゃあリアは私が人化したら、しがみついてね」

「わ、わかりました! カムイさんありがとうございます!」


リアは、よほど嬉しかったのか、カムイの背中(竜化状態のゴツゴツとした背中)に頬ずりをしている。


端的に言って、めっちゃ痛そうである。

その証拠にリアが頬ずりを止めると、リアの頬は真っ赤になっていた。


「じゃあ、そろそろ行きますか!」


そういうと、ジンはプリンを左脇に抱えて、カムイから飛び降りる。

それに続いて、カムイも竜化うを解除する。ふわッと、リアの体が空中に放り出される。

カムイはジンに頼まれた通り、リアの元に行き、カムイを肩に抱え、頭から落下して行く。


「きゃぁぁぁぁァァァァァ!!!!」

「リア、うるさい!」

「さて、勇者のお手並み拝見だな! プリン、しっかり掴まっておけよ!」

「はい!!」


リアが全力で絶叫している、だが、もう止まることはできない。

それをカムイが鬱陶しそうにしている。

ジンは口元を吊り上げながら、プリンにしっかり掴まっているようにと指示をする。

ジンの指示通り、プリンはジンの手首の辺りをギュッと握る。


そして、ジンたちは遂にハルバートに降りていく。








作者もスカイダイビングしてみたいですねぇ。


そういえばこの間、川に行ってきました。

岩に足の小指削られました。なので皆さんも川や海に行く際は十分に気お付けてください!


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