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召喚されたのは.....

5月病という恐ろしい病気があるので、体にお気おつけて!


ジンが魔力を高めていく。


それだけで辺りの木々は超大型台風が来たかのように根元から大きく揺れ動き、草花は跡形もなく消え去って行く。もし、ここに一般人が居ようものならば、今頃は遥か上空で鳥さん達と戯れていることだろう。カムイでさえも、飛ばされぬようにと片腕を竜化させ、その腕を地面に深く突き刺すことによって、かろうじて飛ばされずにいる状態なのだ。

カムイは残った片腕でプリンを抱き込み、庇うような体制でジンの召喚が終わるまで耐え凌いでいる。


だが、徐々に強くなっていく風、もとい魔力の放出は草木を丸裸にするだけでは飽き足らず、地面までもを抉り取っていく。少しずつ露わになっていくカムイの片腕。これではカムイが飛ばされるのも時間の問題となっていた。


そして、ついにカムイの腕に限界が訪れる。

カムイとプリンはギュッと目を閉じてあと少しで訪れるであろう浮遊感をじっと待つ。だが、いつまで経っても来るはずの浮遊感が来ない。

カムイはおかしいと思い、ふと目を開ける。


すると、そこには綺麗な赤髪の少女が半裸状態で横たわっており、その横に土下座のような姿勢で頭を抱えているジンの姿があった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



『今あるすべての魔力を注ぎ込む』


ただその一心でジンは魔力を放出しながら、放出した魔力をあらかじめ描いていた魔法陣に注ぎ込んでいく。


ジンの魔力も無限のように感じられるが、実際は魔力量が異常すぎるため無限のように感じるだけで、ちゃんと底というものは存在する。まぁ、ジンの魔力が底をつくなんてことは可能性としては故意に無くそうとしない限り、皆無と言っていいので言いようによっては無限といっても良いのかもしれない。


だが、その言いようによっては無限と言われるジンの魔力が故意によって無くなろうとしている。

時間が止まったかのような静かな世界。ジンには現状がそういう風に見えている。カムイ達からしてみれば「こんなことになるなんて聞いてない!」と文句の一つでも飛んできそうな程に荒れ狂っている。


ジンは魔力をすべて出し切り、魔力切れによる激しい倦怠感に襲われる。ジンほどになれば数秒あれば、魔力切れによる倦怠感は魔力の自動回復で治る。しかし、ジンにとって今は1分1秒でも時間が惜しい。


召喚によって発生するデメリット。それは、必ずしも欲しい魔物が召喚される訳ではないこと。その他にもあと一つデメリットがある。


これはあまり一般的には知られていないが、召喚は魔力を注ぐのをやめた瞬間からバカみたいに注いだ魔力が溢れ出てくる。例えるならば、ガス爆発を思い浮かべて欲しい。魔力を注いでいる時は部屋の窓や扉を締め切り、穴を開けて、そこからガスを入れている状態だと思って欲しい。そして、魔力を注ぐのをやめた瞬間というのは、ガスを入れていた穴からガスが勢いよく噴出状態だ。


だから、召喚する際には魔力を注ぎ終わると同時に召喚しないと時間をかければかけるほど、召喚出来る魔物が弱くなっていく。

ジンはそれが分かっているからこそ、1分1秒、いや、0,1秒でさえも時間が惜しいのだ。


では、いったいなぜ、ジンはこんなにも全力で魔力を注いでいたのか。

当初の目的は天使の召喚だったが、魔力を注いでいるうちにジンが楽しくなってきてしまったため、ジンは全力で魔力切れを起こすまで注ぎ込んでしまったのだ。

注ぎ込んだ魔力でいえば、天使が何百体と召喚出来てしまう程に注ぎ込んでしまっている。


ここまで来ると、逆に何が召喚されるのか気になって来るくらいだ。

ジンは0,1秒も無駄にすることなく、注ぎ終わると同時に倦怠感に襲われつつも言葉を絞り出す。


「こんなに注いでやったんだ。すげぇのじゃねぇとぶっ殺すからな……」


そして、ジンのその言葉を合図にするかのように魔法陣が光りだす。ジンはすでに意識を半分失っているような状態だ。だが、ジンは魔力の自動回復により徐々に意識を取り戻していく。視界がはっきりし出した頃、魔法陣の光も収まりを見せていた。


しかし、光は収まったと思った瞬間、一瞬カッと眩しく光ると、ジンは眩しさのあまり目を閉じてしまう。


そして、ジンが目を開けるとそこには、半裸で寝ている少女がいた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



少女は召喚が終わると、寝転がった状態でゆっくり目を開けていく。


ジンはその少女に見覚えがあった。


青色の髪に赤や金、その他何種類もの色が混ざりあった幻想的な髪色を持ち、瞳も同じく青色を主体として赤や金などの色が混ざり合っており、その瞳で見るだけであらゆるものを引きつけ、魅了する。だが、その一方で人で言う白目の部分が真っ黒に染まっており、魅了の中にも確かな風格のようなものも感じられる。


そして、何よりも今、前で寝転がっている少女がただの少女では無いと確信づけるものを少女は持っていた。


それは……神の威厳だった。



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