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天使

 

「そろそろ王都から出るか」


 唐突にそんなことを口にするジン。


「次はどこ行くの?」


 そんなジンの唐突な提案にも不満は一切ないカムイは問い返す。

 わがままを言えば、ずっと王都に居たいのだが、魔神を討伐しなければいけないのでそういうわけにもいかない。

 そう思っているのは、カムイだけではなく、ジンだってそうだし、リアやプリンもそうだ。


 王都は全てが揃っているので、特に困ることがないのだ。

 しかも、ジン達が暮らしているこの部屋は王都でも最上級レベルの部屋だ。

 人をダメにしてしまうどころか竜さえもダメにしてしまう程だなのだから。


「次はとりあえず天使を仲間にしたいと思ってるから天界かな?」


 天界とは、天使が住む場所のことだ。

 天界はどこにあるのか場所が分かっておらず、誰も行ったことがないと言われている。

 だが、古い伝承には天界のことが良く書かれていたりする。

 それが本当かどうか調べる方法がないため、場所が分かっていないのだ。

 伝承によって天界の場所は異なっており、統一性は全くないと言っていい。

 それでも、学者達は必死になって今でも天界の場所を探し続けている。

 まぁ、見つければそれを発表し、証明して見せるだけで、一生、いや、孫の代まで遊んで暮らせる程の資産が手に入るだろうと言われている。


 それだけ、聞けば世の中の天界学者は金のために探していると言っても過言ではないのだ。


「でも天界ってどこに存在してるか分からないんじゃないの?」


 当たり前のような疑問を口にするのはカムイだ。

 カムイ程の世間知らずでもこれくらいのことは知っている。


「あぁ、必ずしも場所を見つける必要はないだろ? 召喚してしまえばこっちのもってことだな!」

「「「……」」」


 ジンの自信満々な言葉に沈黙する一同。


 それもそのはずだ。


 要はジンの言っていることは天使を眷属にして天界に連れて行ってもらおうということなのだ。

 それは極めて異常なことであり、普通は考えつかないことだ。

 というのも、天使を召喚した事例は過去1度もなく、ましてや眷属にしたものはいない。まぁ、存在する場所が確認されてないのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが……。


 それに加え、今まで天使を召喚出来るほどの魔力を持った者がいなかったこともあるだろう。

 前にも言ったと思うが、召喚で呼び出す時には消費した魔力に比例した強さの者が出てくる。

 天使クラスともなれば、それこそ一般的な天使でも超竜を呼び出す程の魔力が必要となってくる。

 そうなれば、言わずもがな召喚出来る人物など存在しないのだ。


 ジンを除けば…だが……。


「まぁ、これは運でもあるが、目当ての奴が出てこなければ、契約破棄で戻って貰うことにする」

「なんか、呼び出される側が可哀想ですね、それ……」


 ジンの自分勝手な言葉に対して召喚される側の心配を反射的にしてしまうプリン。


「気にすんな」

「分かりましたよ」


 もはや、それが平常運転のジンにプリンは呆れを感じるのであった。


 だが、決してプリンはジンを嫌ってはいない。むしろ好きなくらいだ。


 主人公が周りの女の子を好きになって行って、最後には全員嫁展開?

 はっ! そんなものは他所でやれ。

 まず、この世界は一夫多妻制じゃない。

 ハーレム主人公なんてくそくらえだわ。


 そんなことをジンは心の底で思ったが思うだけだ。

 そんなことをすれば、前世の世界の大多数の人を敵に回しそうだからな。


「さて、じゃあ話もそれくらいにして始めようか」

「そうですね。善は急げと言いますし」


 そう口にしたのはリアだ。

 だが、ここでふとジンは思う。


「思ったんだが、リアとプリンの話し方似てて読者が分かりづらいと思うから、リアはこれから語尾に『にゃ』を付けとけ」


 そんなことをいきなり言い出すジンに一同はポカンとしている。


 読者? なにそれ? みたいな顔だ。


 まぁ、当然そうなるだろう。


「まぁ、気にするな。ってことでこれからリアは語尾に『にゃ』を付けること」

「きゅ、急過ぎませんか!?」

「いや、個性って大事だと思うんだ。うん。そういうわけだ。分かるだろ?」

「いや、『分かるだろ?』とか言われても全然分かりませんから!」


 よほど嫌なのか、全力で抵抗するリアにジンは近づいて行き、耳元でそっと呟くように言う。


「従わなければ、修行量倍だからな」と……。


「脅迫じゃないですかぁぁーーー!!!」


 リアは絶叫するが、さらに耳元でもう一言。


「はい、1回目」


 その言葉にリアは我を取り戻し、そして発狂するように「にゃゃぁぁーーー!!」と叫ぶのであった。


「おっと、話が逸れたな。これもリアのせいだな。ということで修行量倍な」

「理不尽じゃないですか!?」

「んー?」

「り、理不尽じゃないですか…にゃ…」


 尻すぼみになっていくリアの言葉、最後の方は辛うじて聞き取れる程にまで小さくなっていた。


 ジンは満足そうに頷いている。

 プリンは眉間を抑えて、首を振っている。

 おいおい、そんなことしたら、どっかの秘書竜に間違われるぞ。

 カムイは終始ニヤニヤしており、楽しそうであった。


「じゃ、始めようか!」


 その言葉と同時に魔力を集め、ジンは召喚の準備をしていく。


知らぬ間に総合評価200pt達成してました!

読んで下さってる皆さん、ありがとうございます!

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