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昔話

前回投稿した「楽しい」の最後の一文を削除しました。

今後の方向性が変わったための変更です。

楽しみにして下さった方、ご理解をよろしくお願いします。

それと共にご迷惑おかけしてすいません。


では、どうぞ!


あるところに1人の少女がいた。


その少女には生まれた時から親がおらず、あるはずの出生届すらもない。


少女はそんな経歴を持つ。


だからこそ、この世に根深く残っているものに囚われることとなる。


それは「いじめ」だ。


物心付いた頃から既に周りに人はおらず、避けられ続けていた。


だが、そんな少女にも味方と呼べる、あるいは親とも呼べる存在がいた。


その人物とは老夫婦であり、名前すらも聞いたことはなく、不思議と呼ぼうとも思わなかった。


老夫婦には自分と同じ年頃の孫がおり、4人で暮らしていた。


老夫婦は少女に本来ならば両親が与えるであろうものを全て与えた。


やがて少女は小学校に上がった。


しかし、やはり待ち構えていたのは幼い少女には悲惨な「いじめ」であった。


だが、少女は挫けず前を向いて進んでいった。


優秀な成績を収め、頼られれば断ることはなく、少女は周りに人に認められようと必死にもがいた。


そのおかげか小学校高学年になる頃には「いじめ」は次第になくなり、普通の生活を送っていった。


だが、それと同じくして少女の親代わりである老夫婦は徐々に元気を無くして言った。


誰しも歳には勝てないということだろうか?


老夫婦の孫は少女とは違い、精神もあまり良くなく、キレやすい正確になっていき、段々と周りから距離を置かれて行くようになった。


中学に上がり、少女は新しい友達を作り、それなりに学校生活を楽しんでいた。


そんな彼女に人生最大の分岐点が現れた。


ある日、老夫婦に呼ばれ部屋に行くとそこには新しく出来た友達の親が来ていた。


老夫婦は暗い表情をしており、今にも泣き出しそうである。


少女は何事かと思い、話を聞いた。


すると、少女が友達に酷い暴力を振り、後遺症が残る可能性があると言われた。


少女は話が見えて来なかった。


『この人は何を言っているんだろう?』

『私はそんなことしていない』


言葉を口にしようとしても、言葉が出せない。


頭には出てきている。

あとはそれを口にするだけ。

なのに、その言葉が発せない。


他の人から見ると少女は言い訳をしようとしているようにしか見えないだろう。


ふと、視線を感じ、横を見ると老夫婦の孫が少女の方を悪い笑顔を浮かべながら見ていた。


その事を伝えようとする。

だが、やはり声が出ない。


『あの子がやったに違いない!』


そう言いたい。

そんな言葉は口から出ることはなく、ただただ少女は息を忘れたかのように口をぱくぱくとさせるだけだ。


その日、少女はその場で1度も声を発することが出来ず、友達の両親は帰っていった。


老夫婦に「なぜそんなことをしたのか」と聞かれた。


こんな状況なのに落ち着いた、少女の好きな声でそう問いかけてくる。


その時には声は出るようになっていた。


少女はありのままを老夫婦に話した。


すると、老夫婦は再び暗い表情になり、俯いた。


少女が部屋から立ち去ろうとすると、老夫婦は小さな声で「跡継ぎは……にしよう」と言った。


聞こえない部分があった。

恐らく名前だろう。

だが、それを今思い出そうとすると激しい頭痛に襲われる。


少女が部屋を出ると廊下に老夫婦の孫が立っており、少女をじっと恨むような視線で睨みつけてくる。


ひとしきり少女を睨むと、少女の方に近付いていき、耳元で「よそ者のお前には継がせない。お前なんかがついでいい立場ではない」と小さな声で呟き、自室に戻っていった。


少女には分からないことがあった。


それは「跡継ぎとはなにか」ということだ。


老夫婦の家は別段豪華な家ではなく、なにか継ぐようなものは見当たらない。


そんな疑問を残しつつ、少女は1人自室に戻っていく。


中学を卒業する頃、少女は再び老夫婦に部屋に来るように呼ばれた。


少女が部屋に行き、老夫婦の前に座ると、「お前に私たちがいた元の世界の神を継いで欲しい」ただ一言、そう言われた。


『この話は嘘ではない』

『何故か分からないが信じられる』


少女の頭にはそんな言葉が浮かんでいた。


ということは、今まで一緒に暮らしていたのは神様だったということだ。


これであの時の説明がつく。


老夫婦の孫は少女に神の座を奪われたくなく、わざと事件を起こし、それを自分に擦り付けた。


前々から少女は自分がよく思われてないことは知っていた。


それもそうだろう。


見ず知らずの子供に本来は自分がなるべきであった、神の座を奪われそうになっていたのだから。


少女は少し考える。


『私が神?』

『本当にそんな大役務まるのか?』


そんなことを考えていた。


小学校の頃は成績優秀だった彼女も中学に上がり、ゲームにハマり少しだが成績も落ちていた。


だが、老夫婦のまっすぐにこちらを見つめる目を見て決めた。


「私で良ければ、あなた達の跡を継がせて下さい」


少女ははっきりと老夫婦にそう伝えた。


そこからは早かった。


少女は異世界に転移させられ、神となりその世界の神として信仰され、神としての仕事もきっちりとこなし、跡継ぎとして文句の言われようのない働きをした。


だが、少女が神になり落ち着いた頃。


先代の神、少女のことを物心付いた時から育ててくれた老夫婦が死んだ。


少女は悲しんだ。

だが、それと同時に絶対に老夫婦に恥じないような神であろうと誓った。


しかし、事件が起こる。


老夫婦が死んだことをいいことに老夫婦の孫がこちらの世界に来たのだ。


今までは悪さをしないように向こうの世界で老夫婦が縛っていたのだが、それが解け、こちらの世界に来たのだ。


老夫婦の孫はこちらの世界に来ると神の座を奪おうと邪教を作り、攻め込んできた。


戦うことを知らない少女は惨敗し、立場を入れ替えられ、1人誰もいない部屋で倒すべき敵として閉じ込められた。


「セト、お前だけは許さない。いつか……いつか必ず復讐してやる!」


少女は暗く閉ざされた部屋で1人、セトという名の神に復讐を誓う。


ある少女の昔話です!


まぁ察しのいい人ならすでに気付いているかも知れませんが…

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