表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/43

楽しい

休みって、いいものですねぇ……


「はい! そこで空間魔法!」

「こ、こうですか!?」

「ちげぇよ! なんでそのタイミングで魔法なんだよ! それじゃあ切ったあとじゃねぇか!」


ただ広いだけの空間に響くジンの怒号。


「いやぁ、ジン張り切ってるねぇ」

「久しぶりの新人教育なんだよ。いいだろ?」


ジンが人に物事を教えるのはこの世界に来てから1度もない。


あるのはゲームに熱中時代。

それも全盛期の頃である。


ジンは強い相手を求めていた。


ならば、育てようと考えた。単純な理由かもしれないが他に方法がないのだから仕方ない。


待てばいい?


ゲーム廃人でゲームに全てを捧げている人にそんな残酷なことが言えるだろうか?


今もジンはゲームがしたくてたまらない。


だが、今はゲームの世界で生きている。


考えたことは無いだろうか?


『このゲームの中に入りたい』

『このヒロインと付き合いたい』

『こいつと友達になってみたい』


と、そんなことを1度でも考えたことがないだろうか?


ゲーマーやゲーム廃人達は一同にあると答えるはずだ。


『俺嫁』なんて言葉が出来るのも、

『等身大フィギュア』なんて2次元のものを3次元に引きずり出して来ようとするのも、

『コスプレ』という2次元のものに姿を変えようとするのも、


そういった願望から生まれたものではないのだろうか?


だが、それは2次元であり、創作だ。

いくら願おうとも叶うことは無く、人は次元が1つ違うだけでその高く、広く、無限に続く大きすぎる壁を超えられない。


だから、言葉を作り、好きなヒロインや主人公に近付こうとし、


見た目が同じフィギュアを作り、少しでも近くに居たいと思い、


そして、好きなヒロインや主人公の心を少しでも理解しようとコスプレをするのではないかと。


ジンはそう考えるのだ。


だが、ジンは今死ぬほど好きなゲームの世界にいる。


文字通り好きすぎるが故に、やり過ぎて死んでしまったのだが。


しかし、ジンは人類という1つの種族が一生越えられないかもしれない壁を越えたのだ。


これを放置して、ゲームをする?


それこそゲーマーの恥だ。

目の前に大好物の肉があるのに、それを食わない腹の空いた肉食獣のように無駄なことだ。


やらなくてどうする。

この世界をプレイしなければなにをする。


そんな思いが今のジンの原動力であり、ゲームをしなくても大丈夫な理由である。


「新人教育って私は全然新人じゃないですよ!」

「俺から見たら素人みたいなもんだよ」


リアの反発に笑って返事をするジン。


『楽しい』


それがジンの今の素直な気持ちだ。


こんなたわいもない喧嘩も日常会話も楽しくて仕方がない。

ほんとに神様様々である。


「まぁ出来るまで付き合ってやるから焦らずやれや」

「なんだか、嬉しそうですね」

「うん、なんかジン楽しそう」

「んなことねぇよ。お前らの気のせいだ」


少し頬を掻きながら、照れ臭いといった表情で言い返すジン。


「分かった。ジンは私と入れて嬉しいんだね」


こんな時に場を壊すのは決まってカムイだ。


だが、


「そうかもな」


いつもならパンチの一発でも返ってくる所が、意外な言葉だったのに驚いたカムイは、鳩が豆鉄砲を食らったような、いや、竜が滅竜弾を食らったような顔をした。


「お前は可愛いよ。ほんとにいつも思ってる。いつも暴力するのは小っ恥ずかしいだけなんだよ」

「ジン……ありがと……今夜い」


桃色ムード暴走中の2人。


「あの私を置いてイチャイチャしないで貰えますかね? あとジンさん私は可愛くないんですか? ルックスにはちょっと自身あるんですけど」


そして、それを良しとしないリアが割り込んでくる。


「あ〜、可愛い可愛い」

「な、なんで私には心がこもってないんですかぁ!?」

「キノセイダヨー」

「ぼ、棒読みぃ」


最後には少し涙を浮かべるリア。

ざまぁみろという顔でリアを見下すカムイ。

それを楽しく見守るジン。


「それはそうと」

「流されたぁ」


軽く渾身の涙を流されたリアを置いて、話を切り出すジン。


「リア、お前はさっさと練習しろや!」

「きゅ、急にまた鬼教官モードですかぁ」

「がんば〜」


こうして、リアはその日のうちにジンの技の1つを覚えることが出来たとさ。


一方その頃、プリンはというと……



〜〜天使の羽根亭〜〜



「遅いです〜」


1人放置され、拗ねていた。


ジンとカムイがイチャイチャしているということも知らずに。


知らぬが仏とはこのことである。


4月19日 文の修正を入れました。



ジン楽しそうですねぇ。

楽しいのはいいことですねぇ。

最近悟りを開きそうな作者でありました。


では、評価やブクマお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ