実力差
「た、旅の者〜? 本当ですか〜?」
「ホントデスヨー」
「ワ、ワタシタチ嘘ツカナイ」
リアの疑いの眼差しに片言になりながら答えるジンとカムイ。嘘が下手すぎるにも程がある。
プリンは内心、
「これでバレなかったら奇跡ですね」
とか思っていた。
「本当みたいね」
しかし、奇跡は起きた。リアがバカで助かったと言えるだろう。
「でも、なんでそいつらを探してるんだ?」
プリンに叩かれたジンが気を取り直して、リアに聞いてみる。
「私は自分で言うのもあれだけど最強です」
「ほぉ」
「それ故に敵がいません。なので、私は私よりも強いひとを探しているのです!」
「そこまで強くて、あんたはなんでまだ強さを求める?」
すでにジンは自分の立ち位置を忘れている。やはり、ジンもバカのようだ。
先程まで敬語だったのに、急に偉そうである。
だが、そのことにリアもカムイも気付いていない。ただ1人プリンのみが気付いている。
そして、プリンはまた1つため息を着く。
「なぜ、強さを求めるですか……」
リアは少し俯きながら、声を沈めていく。
そして、悲しそうな、明らかに作り笑顔とわかる笑顔でこう言った。
「強いていうなら、私はそれしか知らないからですかね?」
それもそのはずだ、リアの家は代々剣士の家なので、女だからといって訓練が無くなる訳ではない。
もちろん、今まで恋もしたことがない。
それに、友達と呼べる人物もいないのだ。
故にリアは強さを求めることしか知らない。ひどく不器用なのだ。
そして、運悪く辿り着いてしまった頂点。
彼女にとってそこは、自分がしてきた全てを無くす場所だった。
だが、今更剣しか知らない1人の女性が生きていける程、この世界も甘くない。
その試行錯誤の果てにリアは自分よりも強い人を、いや、存在を探し続けてきた。
それだけがリアの生きがい、希望なのだ。
そして、今、その希望かも知れない人物が目の前にいる。
引き下がる訳にはいかない。
そう考えたリアはジンある提案をする。
「えっと、お名前は?」
「ジンだ」
「では、ジンさん! 私と1度戦って下さい」
「嫌だ」
「即答ですか……」
ジンの即答に苦笑いのリア。
「なら、私が正しかったということになりますね。これでジンさんが私よりも強いと証明されたことになりますね」
そして、ジンを軽く脅すリア。
いや、正確には脅すというよりは煽っていると言った方が正しいだろうか。
ともかく、何故かは知らないがそれでジンに火がついた。
「俺は戦わねぇ、女を殴る趣味はねぇんだ。ってことでこいつがやる」
そう言いつつ、カムイを押し出すジン。
女を殴る趣味はないと言いつつ、いつもジンはカムイを叩いてる。
殴ると叩くにそれほど差があるのだろうか?
少し謎である。
一方押し出されたカムイは。
「えぇー、私?」
と、文句を言っていた。
だが、ジンがやると相手が死んでしまうためにできないことを話すと、渋々承諾してくれた。
「ごめんね、相手が私で」
「大丈夫です、でも殺してしまっても文句は言わないで下さいね!」
「あ、それは大丈夫!」
そして、ここでカムイは相手を見誤った。
「ハンデっていりますか?」
そう問うと、
「ハ、ハンデ……? いらないわよ!」
リアは少し怒り気味になった。
「了解。じゃあ私は1歩も動かずに魔法も使わず、指一本で戦うから」
「え、は?」
リアはカムイの言葉を理解出来なかった。ハンデはいらないと言ったのに、バカにしてるとしか思えないような条件で戦おうとしている。
リアは怒った。人生で初めてかもしれない程。
「バ、バカにするのも大概にしてよ!」
「?」
「ハンデはいらないって言ったでしょ!?」
「? でもハンデないとダメだってジンが言ったから」
「いいわ、死にたいのね」
「死にたくはないよ」
「問答無用! そのハンデを後悔させてやる!」
そして、リアの怒りは爆発した。
「ここじゃ、人に迷惑だから、俺が場所を用意してやるよ。」
創造 亜空間。そうジンが唱えるとジンたちの前に空間の裂け目が出来た。
「この中なら、何しても外に影響は出ない、安心して戦えるぞ」
ジンはそう言いつつ亜空間の中に入っていく。
そして、その後に続く、カムイたち。
中に入ったカムイたちは早速勝負を始めようとしていた。
どれだけ血の気の多いことやら。
先に動いたのはリアだった。と言ってもカムイはその場から動かないのだが。
リアは剣を抜き、雷と炎の魔法を剣に付与する。
すると、剣が赤黒くビリビリとし始めた。
その剣でリアはカムイを切りつける。手加減無しだ。
普通の人から見れば上段から一撃加えたように見えるが、実際は10回ほど攻撃を加えている。
リアの剣速は1秒で20回以上切れる程に早い。
だが、
「ね、やっぱりハンデいるでしょ?」
「な!?」
そこには無傷のカムイが元の位置から1歩も動かずに立っていた。
リアvsカムイです!
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