絡まれ絡まる
これから徐々にペースが落ちていくと思いますが、2日3日に1本のペースに落ち着けたらなと思います。
今までの更新ペースからすると、待たせてしまうことに少し罪悪感を感じますが、気長にお待ちいただけると幸いです。
それでは、今回も楽しんで下さい!
〜〜王都〜〜
「うわ、人多っ!」
「さすが王都……」
「初めて来ました」
ジンたちはそれぞれに意見を言っていた。ジンは引きこもりだが、人見知りやコミュ障ではない。
だが、あまりの人の多さに若干引いてしまっている。
「さて、勇者様達を見つけないといけねぇけど、どうやって見つけるよ?」
考えてなかったのか、みたいな目でカムイがこちらを見てきた。
とりあえず、なんか腹が立ったので殴る振りをしてみた。小さく防御の体制を取っている。誰が見ても超可愛い。
だが、ジンはそんなカムイを置いて、プリンに「なにかいい案はないか」と問いかける。
それに対してプリンは、
「その勇者様達も冒険者なのですか、冒険者ギルドに行ってみてはいかがでしょう?」
「お、ナイスアイデア!」
さすがはプリン、いい頭を持ってらっしゃる。
ジン一行は、プリンの言う通り冒険者ギルドを目指して歩く。
すると、
「兄ちゃん、金と女を置いていって貰おうか?」
絡まれた。だが、
「すいません、こいつら俺の連れなんで。置いていくことはできないですね」
「ジンが敬語!? 珍しいこともあるんだね」
「下手に出てんだよ。問題は起こさないに越したことはないからな」
「ジンさんがそんなまともなことを言うなんて……巧妙に隠蔽された洗脳魔法でしょうか」
「お前ら言いたい放題だな。後で覚えとけよ」
絡んできた男そっちのけで会話するジンたち。しかし、男な自分が無視されていることに気付くと、
「お前ら、舐めてんのか?」
「んだよ、こっちが下手に出てやってんだ。さっさ帰れよ、でくの棒が」
ジンはこれでも下手に出ているつもりである。だが、周りから見ると完全に煽っているようにしか見えない。
でくの棒と呼ばれた男は、ついに我慢の限界が来たのか、顔を真っ赤にしながら、ジンに殴り掛かる。
その瞬間。
「お前達! 何をしている!」
衛兵がやって来た。男は慌てて逃げようとする。
しかし、
「この俺に絡んどいて、ただで逃げれると思うなよ?」
ジンが男の手を後ろに回し、地面に組み伏せた。
そして、そのまま男は衛兵に連れて行かれた。
すると、ジンの元に衛兵が別のやって来て、
「君も同行願えるかな?」
と、聞いてきた。
ジンは少し暗い顔をしたが、カムイたちに悟られないようにすぐに表情を戻すと、素直に衛兵に従った。
1時間後。
衛兵の詰所から出てくる3人の人影。
「色々聞かれたなぁ」
「でも、捕まらなくてよかった」
「そうですね」
もうコリゴリだと言うジンの元に忍び寄る影があった。
「おい、兄ちゃん。持ち物全部置いていきな!」
「おい、嘘だろ、またかよ」
「ジン、現実逃避は良くないよ」
先程の絡んできた男とは違う男がジンたちにまた絡んできた。
全く、この国の犯罪率はどうなっているんだと、内心ため息を着くジンであった。
〜〜王都 王城〜〜
「此度の活躍、誠に見事だったぞ」
「は、ありがたき幸せ!」
ここは王城『謁見の間』。
玉座には、立派なヒゲを生やした、いかにも王という感じの王が座っている。
そこから10メートル程離れた場所に、6人の騎士のような人物がいる。
全員、同じ装備に見えるが、一人一人微妙に装備が違っている。
魔法専門なら、体力がないので、装甲を軽くしてあったり、
剣士専門なら、より強い攻撃に耐えるために高い防御力を有していたり、
それぞれに少しづつ違いがある。
先頭にいるのは、金髪ロングのスレンダーな女性であった。この女性こそ、今回魔神を討伐したパーティーのリーダーであり、この国の冒険者のトップである。
彼女は冒険者という職業だが、もうひとつ職業がある。
それは、王直属護衛部隊の隊長という職業だ。こっちの方はほとんどを副隊長にやらせているが、一応は隊長ということになっている。
「報酬はなにがよい?」
王にそう聞かれる金髪の女性。
「では、しばしの休みをいただきたく存じます」
彼女は休みが欲しいと言う。
「他には何もいらんのか?」
「はい」
「ほんとに無欲なやつじゃの」
「申し訳ございません」
「なに、昔からのことじゃ、かまわんよ」
「ははっ」
そのあと、他の冒険者達にも王は、報酬はなにがいいかと訪ねていく。
皆一様に、金や女、名誉などを欲しがった。
男なんて所詮そんなものだと、女性は思った。
しかし、女性にも欲しい物があった。
それは自分より強い相手である。
だが、それは叶わぬ願いでもあると考えていた。
なにせ、彼女は上級竜を1人で倒すほどの実力を持っており、実際眷属に上級竜を従えている。
竜を眷属にしているのは、彼女だけではないが、上級竜を眷属にしているのは彼女だけだ。
その時点で、もう彼女より強いものはいなくなってしまう。
なので、彼女の願いは叶わぬ願いなのだ。
そして、謁見が終わった後、彼女は1人、城下町へ赴く。
ジンめっちゃ絡まれてましたね。
次回は新キャラの話を書く予定です!
評価やブクマお願いします!




