王都
本日2本目!
章わけするとすれば、王都編です!
〜〜王都 南門〜〜
「やっぱり人めちゃめちゃいるなぁ」
「また並ぶのね」
「でもでも! 王都は入る時の審査が簡単なのですぐに入れると思いますよ」
プリンの出会った街のように日を跨ぐとばかり思っていたジンとカムイは、プリンのその言葉を聞き、明らかに安堵したような顔をする。
「王都に名物みたいな物ってあるのか?」
「はい。えっと、色々な野菜とお肉をスパイスを使って煮込む料理が王都では有名ですね」
ジンはその説明を聞いた時、
「カレーみたいな料理だな」と思った。
だが、口にしても分かってくれる人はいないので心の中に沈めておく。カムイやプリンが加わったことによって、ジンの独り言は減少していっているのだ。
「名前はなんて言うんだ?」
「お肉と野菜のスパイス煮込みですね」
「まんまかよ……」
もっとちゃんとした名前を付けてやって欲しいと思ったが、異世界なのだ。そんな要求はするだけ無駄だろう。
そうこうするうちにジンたちの番がやって来た。
「身分証明書は持ってるか?」
「いや、田舎出身なもんで誰も持ってないんだ」
「なら、向こうで作れるから作ったら別に入口があるからそこから入れ。ここにまた並ぶ必要はないぞ」
「分かった、ありがとよ」
どうやら、入るには身分証明書がいるらしく、それを作らなければいけないらしい。
そして、ジンはこの先の展開を予想していた。恐らく、石版のような物が出てきて、「これでステータスを計らせて貰う」とか言われるんだろうな〜と。
だが、現実は、いや、この異世界は他の異世界とは違った。
受付に行き、身分証明書を作りたいと言うと。
「年齢と名前を記入してください」
予想の遥か斜め上を行く要求にジンは思わず、
「え、それだけ?」
と言ってしまった。石版を壊す気満々だったジンは出鼻をくじかれた思いをしていた。
すると、受付のお姉さんは少しクスッと笑い、話をし始めた。
「恐らくですが、お兄さんは石版のようなものでステータスを計られると思ったんじゃないですか?」
「な、なぜそれを!?」
「初めて作られる方は、この説明をすると、今のお兄さんと同じような顔を皆さんするからですよ」
クスクスと笑いながら説明してくれるお姉さんはとても可愛らしい。高校の頃であれば、イチコロであっただろう。今は恋をしないと決めているので、可愛いと思うくらいで収まっている。
「なるほど」
「はい。では、御記入をお願いします」
すると、カムイがジンのそばに行き、耳元で、「私、実年齢1万歳越えてるんだけど、どうしたらいい?」と聞いてきた。
ジンは迷わず、「20歳くらいに誤魔化しとけ」とカムイに対して小声で返事を返した。
すると、次はプリンが、
「私、生まれた時から奴隷で……」
「そうか、なら、プリンは10歳位にしとけ」
「わかりました」
プリンはカムイのようやに小声ではなく、普通に声に出して言ったので、受付のお姉さんが少し驚いたような顔をしたが、さすがはプロだ、すぐにいつもの顔に戻すとジンに口添えしてきた。
「年齢が分からないようでしたら、こちらでお調べしましょうか? さほどお時間は取りませんので。いかがでしょう?」
「じゃあ、お願いする」
断る理由もないのでジンは素直に受付のお姉さんの言うことに従った。
「では、少し血を採取させて頂きます」
そう言うと、受付のお姉さんはプリンの指に軽く針を刺すと、少し出てきた血を魔法陣の書かれた紙に垂らした後、「鑑定 年齢」と言うと、少し紙が光った。
「年齢が分かりましたよ。えっと、9歳ですね」
「ありがとうございますです」
プリンの実年齢は9歳らしい、10歳ぐらいと言ったジンは、当たらずとも遠からずだったらしい。
そして、各々年齢と名前を書き、提出した。
「では、ジン様22歳、カムイ様21歳、プリン様9歳でお作りします。よろしいですね?」
「おぅ」
俺の年齢がおかしい? そんなことはないさ、俺は22歳だ。この世界ではな! 誰が分かる訳でもないんだ、少しくらいサバを読んだっていいじゃないか。
それに自慢じゃないが見た目はそんなに悪い方ではないんだ。22歳って言ったってバレやしないさ。
ジンはなにかに訴えるように頭の中で必死に弁明していた。
しばらくすると、受付のお姉さんが戻ってきて、身分証明書を渡してくれた。
「これは最初に発行する時は無料ですが、次からは料金が発生するので、お気おつけください」
「はいよ」
「では、犯罪を起こさないくらい自由に王都を満喫してください!」
お姉さんの満面の笑みに送り出されて、ジンたちはそばの門から王都に入る。
年齢詐称って犯罪なんですかね?
犯罪だとしたら主人公ガッツリやっちゃってんですけど…
まぁ、気にしたら負けですよね。あは!
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