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孤独の先で、僕は書く  作者: Mr.リーフ
第一章 孤立無援の脱却

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第二話 葛藤

第二話はスカウトマンとの出会いをきっかけに主人公が小説家になることを決心する話です。そして明かされていく主人公の家族の過去。その二つの要素が複雑に織り交ざっていく。

帰宅後、僕はLINEで母ちゃんにあの有名な自由堂という出版社の社員から小説家にならないかとスカウトを受けたことを伝えた。母ちゃんはちょうどお昼休みの時間だったからすぐに返事が来た。やはり予想通りの返事だった。「うちには借金があるし、そんなお金は無いから断りなさい。」という返事が来た。うちにお金がないことはどうしよもないことだから。そのことに不満に思ったことは一度もなかった。親父は僕の生まれる半年前、単身赴任先の会社でライバル会社の父親の親友に頼み込まれ、親父は会社の機密情報を漏らしてしまった。そして親父は犯罪行為をしてしまったということに対する戒めで警察に捕まる前に自殺してしまった。親父はきっと死をもって償いたかったのだろう。逮捕されても死刑になるとは限らないから。それだけ責任感がある人だったのだろうと思っていた。母ちゃんはそんな親父の責任感をもつという意思を継いで僕を女手一つで育ててくれた。僕はそんな母ちゃんにとても感謝している。だからスカウトは断ると返信した。母ちゃんは夜遅くに帰宅すると、「本当にごめんね、良平。いつもなんでも我慢させちゃてて。」と言って泣きながら謝ってきた。「母ちゃんは僕の誇りだよ。親父の責任を受け継いで、借金を返し続けることは母ちゃん以外絶対できないよ。だから僕も母ちゃんみたいな人の前で恥じない人間になりたい。母ちゃん、だから謝らないで。母ちゃんこそ、いつもありがとう。」と僕も少し泣きながら言った。親父の死後、会社から賠償金請求があった。それを父親の責任を受け継いで母ちゃんはたった一人で払い続けていた。それを僕は理解しているから絶対に不満や文句は言わないと決めていた。次の日、僕は名刺に記載されていた電話番号に電話した。「・・・・もしもし、どなた様でしょか?」(どうやら、あのスカウトマンじゃなさそうだ。)「先日に県立図書館で自由堂の方にスカウトされた青木良平です。僕をスカウトされた方はいらっしゃいますか?」「・・・・ちょっとお待ちください。」(しばらく電話の音がして)「もしもし、お待たせしました、小林です。あ、もしかして県立図書館で作文書いてた逸材君?どう?小説家目指してみたくなった?」「その件ですが、すみません。僕の家には多額の借金がありますので、ごめんなさい。断らせていただきます。」「そうなんだ。全然いいよ。でもさ、小説家目指して頑張ってくれるならここだけの話だけど、俺がその借金を肩代わりしてもいいよ。」「そんなことできるわけないじゃないですか?人として。なので、ごめんなさい。」「いいんだよ、遠慮なさらずに。俺の家庭は親父と祖父母が小説家で結構金持ちだからね。しかも、お袋は自衛隊だし。小説家の後継ぎはもう一人ぐらい欲しかったんだ。そのための資金なら、俺の家族は用意するって言ってるよ。しかもそんなの小説家になってから返せばいいじゃん。ね?結構お得でしょ?お互いに得するから。本当にお願いします。」「わかりました。だけど、もう少し母親と相談させてください。明日また電話かけます。ありがとうございます。」電話をすぐ近くで聞いていた母ちゃんは言った。「良平が決めなさい。」僕は言い返した。「でも、母ちゃんは責任をとりたいんじゃないの?」すると母ちゃんは「責任を意識することも大切だけど、私にとって一番大事なことは良平の夢を尊重してあげることだよ。今まで責任を意識しすぎて良平の夢を尊重できていなかったって最近、気づいてさ。いいんだよ。良平。私は良平の夢を応援したいから。」「・・・母ちゃん、ありがとう。」生まれて初めてだった。こんなに嬉しくて泣いたのは。明日、僕は夢への第一歩を踏み出す。

次回、第三話は主人公がスカウトマンとお互いに夢を語り合う話です。他人を信じない主人公が他人であったスカウトマンに心を開き始めていく。(投稿予定日:8月10日)

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