第一話 孤独
第一話は高校1年生の夏休み、主人公とのちの彼の文芸アシスタントとなるスカウトマンの出会いが生まれる話。
2006年3月19日、中学校生活最後の日の僕はいつも通り一人ぼっちだった。周りを見渡すと友達との別れを惜しむような表情をしている生徒、これからの高校生活などを話したり、中学校生活の思い出を友と語りあう生徒、とにかく僕とは違ってみんなは心から信じ合い、分かちあえる仲間がいた。そんな日もあっという間に終わり、時は流れ、やがて僕にとってはじめての高校生活が始まった。僕は最初から期待などしていなかった。いろんな人が話しかけてきてが、全て無視した。怖かった。あの時みたいに友達だと思ってたのに仲間外れにされるのが。だから、もう友達を自分からつくりたいなんて思わなかった。過去の出来事と孤独に対する恐怖から次第に人と話すことが苦手になっていった。ある日、親が留守で僕は朝食を食べた後、徒歩で県立図書館に向かった。館内はエアコンが効いていて夏休みの宿題である読書感想文を書くのに最適であった。まだ朝だからか、館内は僕と図書館の職員以外人はいなかった。僕の趣味は野球をテレビで見ることと歴史をひたすら勉強することだった。別に野球観戦や歴史の勉強よりは興味はないのだが、僕の作文は人一倍に優れていると過去に教師が褒めてくれたことがあった。確かに毎日10分間で日記の課題を終わらせて、しかも550文字も書いていたのは事実だが、たとえ作文が他の人よりも得意だとしても自分にとってはなんの役にも立たない長所だとわかっていた。作文なんてできても僕の孤独な心は満たされないと思っていたからだ。椅子に座り、読書感想文を一人で書きはじめると、いつもよりも環境が整っているせいか5分間で600文字作文を書き終わらせてしまった。自分でも多少驚いた。過去最速だったからだ。しかし、その自信はすぐに消えうせた。すると突然、知らない男性が声をかけてきた。すごく驚いた。誰もいないと思っていたのにすぐ隣に人がいたなんて。すると男性は僕の驚いた様子を見ると、「ごめん、驚かせてしまって。君が作文書いてるの見てたよ。すごいね、君。あんな600文字の作文を5分程度で終わらせちゃうなんてさ。しかも字もめっちゃ丁寧だし、内容も見てみたいな。僕は今までいろんな小説家をスカウトしてきたけど、君みたいな逸材は今までに2人しか見たことないよ。もし良かったら君も小説家にならない?今すぐに決めなくてもいいよ。一応、名刺渡しておくね。そこに俺の電話番号も記載されてるから。気がむいたら、電話してみてよ。君なら絶対小説家になれるよ!!俺がサポートするから。じゃあ。また。」と言って図書館を出た。一体、彼は誰なんだ。彼の名刺を見ると、自由堂という有名な出版社のロゴも記載されていた。帰宅したら、親に一応、相談することにしたが、自信はわくことはなかった。小説家になんてどうせ僕はなれないと思っていた。
この作品はフィクションです。ちなみに主人公のモデルは作者です。次回は主人公とその家族との複雑な関係が内容です。果たして、主人公はスカウトマンの期待に応えられるのだろうか。




