フランス修学旅行帰国、明高荘ただいまの回
フランス研修旅行。
長い旅を終えて。
ついに日本へ帰ってきた。
明石高校美術科二年生。
歩美と華子のスーツケースには、
フランスで集めた思い出がいっぱい詰まっていた。
空港。
「日本に帰ってきたね」
華子が言う。
「なんだか少し不思議」
歩美は笑う。
数日前まで、
パリの街を歩いていた。
ルーブル美術館。
モンマルトル。
エッフェル塔の夜景。
全部が夢みたいだった。
帰りのバス。
窓の外には、
見慣れた兵庫の景色。
「やっぱり落ち着くね」
華子が言う。
「うん」
そして。
明高荘。
玄関の前。
歩美が鍵を開ける。
「ただいま」
すると。
「おかえり!」
談話室から声が響く。
待っていたのは、
明高荘のみんな。
あけみ。
涼子。
初美。
恵子。
つむぎ。
弓木家の、
りん。
しずく。
さやか。
ちか。
そして、
あかりと奈緒。
「先輩、おかえりなさい!」
あかりと奈緒は嬉しそう。
「フランスどうでした?」
質問が次々飛んでくる。
「街がすごかった」
「建物全部が絵みたいだった」
歩美はスケッチブックを開く。
そこには、
パリの景色。
美術館で見た作品の印象。
街角の風景。
たくさんの絵が残っていた。
「すごい……」
奈緒が言う。
「先輩、本当に描いてきたんですね」
華子も自分のスケッチを見せる。
「同じパリでも、歩美と私で見ているところが違うんだよね」
「それが面白いね」
あけみが言う。
テーブルには、
フランスのお土産。
お菓子。
小物。
そして、
みんなへのプレゼント。
「ちかちゃんにはこれ」
「ありがとう!」
ちかは大喜び。
「やっぱりお土産係だね」
しずくが笑う。
さやかは、
歩美のスケッチを見る。
「家庭菜園とは違う景色だけど、ちゃんと歩美さんの絵だね」
「ありがとう」
夜。
談話室。
みんなで旅行の話を聞く。
純子と優子も顔を出していた。
三年生で受験勉強中。
でも、
後輩の大切な思い出話を聞きに来ていた。
「本当にいい経験になったね」
優子が言う。
「うん」
純子も笑う。
「私たちも最後まで頑張らないとね」
それぞれの季節。
二年生は海外で大きな経験をした。
三年生は未来へ向かって進んでいる。
一年生は先輩から刺激を受けている。
明高荘には、
またいつもの温かい時間が戻ってきた。
部屋に戻った歩美。
机の上にフランスのスケッチブックを置く。
「次は何を描こうかな」
冬の明高荘。
新しい作品作りの日々が、
また始まる。




