フランス修学旅行、お土産選びの回
フランス研修旅行。
最終日。
朝。
パリのホテル。
「もう最終日なんだね」
華子が窓の外を見る。
歩美も静かに頷く。
数日前まで、
初めて見る街並みに驚いていた。
ルーブル美術館。
モンマルトル。
エッフェル塔の夜景。
たくさんの思い出ができた。
今日は帰国前の自由時間。
最後の街歩き。
そして、
お土産選びの日。
「明高荘のみんな、何が喜ぶかな」
歩美が考える。
最初に思い浮かんだのは、
やっぱり談話室のみんなだった。
お店に入る。
フランスらしい雑貨。
お菓子。
小さな置き物。
たくさんの商品が並んでいる。
「ちかちゃんには何がいいかな」
華子が笑う。
「たぶん食べ物」
二人とも同じ答えだった。
「さやかには……」
歩美は考える。
家庭菜園が好きなさやか。
「植物の絵が描かれた雑貨とかいいかも」
「さやかちゃんらしいね」
次は、
あかりと奈緒。
「一年生二人には?」
「学校で使えるものかな」
先輩として、
少し大人になった気分だった。
そして。
純子と優子のことも思い出す。
「受験勉強頑張ってるかな」
三年生の二人には、
応援の気持ちを込めて選ぶ。
午後。
最後のパリ散策。
歩美は街を眺める。
来た時は緊張していた。
でも今は、
少しだけこの街が身近に感じる。
「また来たいね」
華子が言う。
「うん」
「今度はもっとゆっくり描きたい」
歩美らしい答えだった。
ホテルへ戻る。
スーツケースを閉じる。
荷物の中には、
たくさんのお土産。
そして、
たくさんのスケッチ。
夜。
最後のフランスの時間。
歩美はスケッチブックを見る。
そこには、
パリの街。
美術館。
友達と過ごした時間。
全部が残っていた。
「帰ったら見せよう」
明高荘のみんなの顔が浮かぶ。
翌日。
空港。
「さようなら、フランス」
少し寂しい。
でも、
帰る場所がある。
明高荘。
いつもの談話室。
いつもの仲間。
飛行機へ乗り込む。
「日本に帰ったら何する?」
華子が聞く。
歩美は笑う。
「まず、お土産渡す」
こうして、
明高荘の二人の大きな旅は、
帰国の日を迎えるのだった。




