モンマルトル散策の回
フランス研修旅行。
4日目。
朝。
ホテルのロビー。
「今日はモンマルトルだね」
歩美が予定表を見る。
華子が頷く。
「昔から画家が集まった場所だよね」
モンマルトルは、19世紀末から20世紀初頭に多くの画家が活動したことで知られるパリの芸術地区。サクレ・クール寺院やテルトル広場など、芸術家ゆかりの場所が残っている。
バスを降りる。
坂道。
石畳。
白い建物。
細い路地。
歩美は周りを見渡す。
「ここ全部、絵になる……」
「また始まった」
華子が笑う。
でも、
華子も同じ気持ちだった。
丘を登ると、
大きな白い建物が見えてくる。
サクレ・クール寺院。
「すごい……」
パリの街を見渡せる景色。
遠くまで広がる街並み。
歩美はスケッチブックを開く。
「ここ描きたい」
「何分で描くつもり?」
「できるだけ」
美術科らしい時間が始まった。
次に向かったのは、
テルトル広場。
そこには、
絵を描く人たちが集まっていた。
「本当に画家の街なんだ」
歩美は感心する。
華子は街角の風景を描く。
カフェ。
通りを歩く人。
古い建物。
同じ場所でも、
二人の絵は違っていた。
「歩美は細かいところを見るね」
「華子は全体の雰囲気が上手」
お互いのスケッチを見せ合う。
昼。
小さな店で休憩。
「フランスの料理にも慣れてきたね」
「最初は緊張したけど」
旅の思い出が少しずつ増えていく。
午後。
モンマルトルの路地を歩く。
かつて多くの芸術家が暮らした場所。
今も独特の雰囲気が残っている。
歩美は一枚のスケッチを完成させる。
題名は、
『坂道のある街』
「いいタイトル」
華子が言う。
「明高荘に帰ったら見せたいな」
日本では、
あかりと奈緒が写真を見る。
「先輩、毎日描いてるね」
「すごい……」
さやかも写真を見る。
「歩美さんの絵、また増えたね」
ちかは、
「フランスの野菜は描いた?」
と聞いていた。
「そこ気になるんだ」
しずくが笑う。
夜。
ホテルの部屋。
歩美は今日のスケッチを整理する。
ルーブル。
パリの街並み。
モンマルトル。
日本では見ることのできなかった景色。
「この旅行、ずっと覚えてると思う」
華子も頷く。
残りの日程もあと少し。
二人のフランス研修旅行は、
まだ続いていく。




