流しそうめん大会の回
8月中旬。
神鍋高原スケッチ合宿から数日後。
暑かった。
とにかく暑かった。
「暑い……」
歩美が机に突っ伏す。
「暑いね」
華子も同意する。
「アイス食べたい」
あかりが言う。
「さっき食べたでしょ」
奈緒が突っ込む。
その時。
さやかが言った。
「今日、流しそうめんやるよ」
一瞬。
静かになった。
次の瞬間。
「やったー!」
ちか。
あかり。
つむぎ。
三人が飛び上がった。
庭では準備が進んでいた。
弓木家の庭から家庭菜園の横まで、
長い竹が設置されている。
水も流れる。
本格的だった。
「すごい」
歩美が感心する。
「昨日から準備してたからね」
りんが答えた。
しずくは紙コップを並べている。
「人数多いから大変」
「確かに」
明高荘と弓木家を合わせると、
かなりの人数だった。
昼。
いよいよ開始。
「流しまーす!」
さやかの声。
そうめんが流れる。
「来た!」
ちかが箸を構える。
パシッ。
見事に取った。
「やった!」
「早い!」
あかりも負けじと挑戦する。
しかし。
失敗。
そうめん通過。
「あー!」
「流れてった」
奈緒が笑う。
二回目。
成功。
「取れた!」
大喜びだった。
歩美や華子も参加する。
「意外と難しいね」
「見てるより難しい」
純子は慎重派。
優子は確実派。
二人とも安定していた。
一方。
つむぎ。
「あっ」
取り損ねる。
「あっ」
また取り損ねる。
「あっ」
三回連続だった。
「反射神経どうなってるの」
恵子が言った。
途中。
特別企画。
「ミニトマト流しまーす!」
「え?」
全員驚く。
家庭菜園で採れたミニトマトだった。
コロコロ転がる。
「速い!」
「待って!」
あかりが追いかける。
ちかも挑戦。
見事成功。
「取った!」
得意げだった。
さらに。
枝豆。
流さなかった。
「それは無理だよ」
奈緒が言う。
全員納得した。
午後。
そうめんもお腹いっぱいになった。
木陰で休憩。
風が吹く。
蝉の声。
夏らしい時間だった。
「楽しかったね」
歩美が言う。
「うん」
華子も笑う。
その時。
ちかが聞いた。
「次のイベント何?」
全員少し考える。
そして。
あかり。
「夏祭り!」
「いいね」
満場一致だった。
こうして明高荘と弓木家の流しそうめん大会は大成功。
今年の夏も、
まだまだ楽しいことが続きそうだった。




