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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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58/113

中間テスト、初日の回


5月下旬。


ついに中間テスト初日がやって来た。


朝6時。


201号室。


「純子ー!」


優子の声が響く。


「あと五分……」


「その五分を昨日も聞いた!」


純子は布団にしがみついていた。


しかし今日はテスト当日。


容赦なく起こされる。


「うう……」


なんとか起床成功。


一方。


101号室。


歩美はすでに朝食を食べ終えていた。


「緊張するなあ」


「大丈夫でしょ」


華子が言う。


「華子は?」


「少しだけ」


そう言いながらも落ち着いている。


203号室。


あかりは朝からソワソワしていた。


「筆箱持った!」


「うん」


「生徒手帳持った!」


「うん」


「お弁当持った!」


「うん」


奈緒は頷く。


「教科書は?」


「忘れた!」


「持って行こう」


危なかった。


登校時間。


明高荘の高校生たちは一緒に学校へ向かう。


「今日は何科目だっけ?」


純子が聞く。


「今さら?」


優子が言う。


「国語と英語と数学」


歩美が答えた。


「数学……」


純子の表情が曇る。


学校到着。


教室はいつもより静かだった。


みんな最後の確認をしている。


「緊張してきた」


あかりが言う。


「深呼吸しなさい」


奈緒が言った。


チャイムが鳴る。


テスト開始。


カリカリ。


教室に鉛筆の音だけが響く。


歩美は順調。


華子も落ち着いて解いている。


奈緒も集中していた。


あかりは、


「この漢字なんだっけ……」


少し悩んでいた。


一方。


純子。


「見たことある問題だ」


少し安心する。


「でも答えが思い出せない」


安心は一秒で終わった。


昼休み。


「どうだった?」


みんなが集まる。


「まあまあかな」


歩美が言う。


「普通」


華子が答える。


「たぶん大丈夫」


奈緒も言う。


そしてあかり。


「終わった」


「どっちの意味?」


奈緒が聞く。


「分からない」


判断不能だった。


純子も難しい顔をしている。


「数学が数学だった」


「当たり前でしょ」


優子が突っ込む。


午後のテストも終了。


放課後。


校門を出た瞬間。


「終わったー!」


あかりが叫ぶ。


「まだ初日だよ」


奈緒が言う。


「え?」


「明日もある」


あかりは固まった。


「そんな……」


みんなが笑う。


明高荘へ帰る道。


歩美たちは少し疲れていた。


でも初日を乗り切った安心感もある。


「あと少し頑張ろう」


歩美が言う。


「うん」


「明日も早起きだからね」


優子が純子を見る。


「今日はちゃんと寝る」


その言葉を聞いて、


誰も信用しなかった。


夕方。


家庭菜園ではトマトの実が少し赤くなり始めていた。


テストも野菜も、


少しずつ結果が見え始めている。


そんな5月の一日だった。


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