明高荘たこ焼き大会
ゴールデンウィーク初日。
昼過ぎ。
弓木家のリビングでは準備が進んでいた。
テーブルの上には、
たこ焼き器。
たこ。
天かす。
ネギ。
紅しょうが。
たくさんの材料。
「よし!」
純子が腕まくりをする。
「今日は私が焼く!」
「嫌な予感しかしない」
優子が言った。
みんながうなずく。
「ひどくない!?」
その頃。
小学6年生のちかは興奮していた。
「たこ焼きだー!」
「ちかちゃん手伝う?」
あけみが聞く。
「やる!」
さっそくネギを運ぶ係になった。
一方。
高校1年生コンビ。
あかりもやる気満々。
「私も焼きたい!」
「まず見学ね」
奈緒が言う。
「えー」
最初の一回目。
生地を流す。
具を入れる。
ここまでは順調だった。
問題はその後。
純子が勢いよくひっくり返そうとする。
「それっ!」
ぐしゃっ。
「……」
「……」
丸くならなかった。
「芸術的だね」
華子が言う。
「フォローになってない」
歩美が笑う。
すると。
「貸して」
涼子が前に出た。
社会人一年目。
しかし料理経験は純子より豊富。
くるり。
くるり。
見事な丸いたこ焼きが出来上がる。
「おおー!」
拍手。
「涼子さんすごい!」
あかりが目を輝かせる。
「昔バイト先で少しやったから」
「かっこいい!」
純子は悔しそうだった。
その後。
ちかも挑戦。
「えいっ!」
少しいびつ。
でもちゃんと丸い。
「できた!」
「純子先輩より上手かも」
奈緒が言う。
「奈緒ちゃん!?」
みんな大笑い。
夕方。
たこ焼きは次々焼き上がる。
初美はお茶を入れ、
恵子は皿を配り、
つむぎは食べる専門。
「三十個目」
「数えてたの?」
歩美が驚く。
「当然」
全然当然ではなかった。
その時。
ちかがひらめく。
「チーズ入れたい!」
「面白そう」
あかりが乗る。
結果。
チーズたこ焼き。
意外と好評。
続いて。
ウインナー。
これも好評。
しかし。
純子がチョコを入れた。
「やめなさい」
優子が止める。
遅かった。
完成。
誰も手を出さない。
「純子が食べて」
華子が言う。
「なんで!?」
自分で作ったからだった。
夜。
たこ焼き大会は大成功で終わった。
「楽しかったね」
歩美が言う。
「またやりたい!」
あかりが答える。
「次は純子先輩以外が焼こう」
奈緒が言った。
「賛成!」
満場一致だった。
ちかはお腹いっぱいになってソファでうとうとしている。
「連休って最高だね……」
そうつぶやいて目を閉じた。
笑い声の絶えないゴールデンウィーク初日。
明高荘らしい賑やかな一日になったのだった。




