部活決定の回
4月中旬。
部活動の仮入部期間も終わりに近づいていた。
放課後。
一年生の教室。
「で、あかりちゃん決まった?」
クラスメイトが聞く。
「まだ!」
「まだなの!?」
あかりは元気だった。
一方。
奈緒は入部届を書いていた。
「決めたんだ」
クラスメイトが言う。
「うん」
静かにうなずく。
その日の夕方。
明高荘。
歩美たちが集まっていた。
「部活決まった?」
歩美が聞く。
「決まりました!」
あかりが勢いよく答える。
「おお」
「何部?」
みんなが注目する。
「写真部!」
「意外」
華子が言った。
「そう?」
「運動部かと思ってた」
実はあかり。
部活見学の最後に写真部を訪れていた。
校内の風景や花を撮る活動が楽しかったのだ。
「先輩が優しかった!」
決め手はそこだった。
「理由があかりらしい」
優子が笑う。
続いて奈緒。
「私は文芸部」
「やっぱり」
歩美と華子の声が重なった。
「そんなに分かりやすい?」
「うん」
読書好きの奈緒らしい選択だった。
純子が聞く。
「どんな活動するの?」
「小説を書いたり、読んだ本の感想を話したり」
「楽しそう」
奈緒は少し嬉しそうだった。
翌週。
初めての部活動の日。
写真部の部室。
「よろしくお願いします!」
あかりは元気に挨拶する。
先輩たちも笑顔だった。
早速カメラを持って校内へ。
「桜まだ残ってる!」
走り回りながら写真を撮る。
楽しそうだった。
一方。
文芸部。
静かな部室。
奈緒は少し緊張しながら席に座る。
しかし先輩たちは優しかった。
「好きな本ある?」
気付けば本の話で盛り上がっていた。
放課後。
明高荘へ帰宅。
「あー楽しかった!」
あかりが玄関で叫ぶ。
「近所迷惑」
華子が言う。
「ごめんなさい!」
全然反省していない。
奈緒も帰ってきた。
「どうだった?」
歩美が聞く。
「楽しかった」
短い返事。
でも笑顔だった。
歩美は安心した。
新しい学校。
新しい友達。
そして新しい部活。
少しずつ二人も明石高校の生徒らしくなっていく。
その夜。
203号室ではあかりが撮った写真を眺め、
204号室では奈緒が文芸部でもらった部誌を読んでいた。
春の新生活はまだ始まったばかり。
明高荘にも、新しい日常が少しずつ根付いていくのだった。




