新入生歓迎会
4月のある土曜日。
明高荘では久しぶりに住人全員が集まっていた。
今日は新入居者の歓迎会である。
弓木家のリビング。
テーブルにはお菓子やジュースが並んでいる。
「それでは!」
山下純子が立ち上がる。
「第1回!」
「第1回じゃないよ」
優子が止める。
「明高荘新入生歓迎会を始めます!」
拍手。
203号室の新住人、
西田あかりが少し緊張しながら頭を下げた。
「西田あかりです!」
「よろしくお願いします!」
元気な声だった。
続いて204号室。
「星崎奈緒です」
「よろしくお願いします」
こちらは少し控えめ。
「性格違うね」
華子が小声で言う。
「正反対かも」
歩美も頷いた。
歓迎会が始まる。
まずは自己紹介ゲーム。
純子が司会を担当する。
「好きな食べ物を発表してください!」
「あんパンです!」
あかりが答える。
「私は紅茶かな」
奈緒が言う。
「食べ物じゃないよ」
華子が突っ込んだ。
会場が少し笑いに包まれる。
その後も話は続く。
「明石は初めて?」
歩美が聞く。
「初めてです!」
あかりが答える。
「じゃあ駅前とか案内しようか」
「本当ですか!?」
一方。
奈緒は本棚の話で寛子の後任のような雰囲気を出していた。
「読書好きなんです」
「へえ!」
「どんな本読むの?」
気付けばあけみや涼子も話に加わる。
少しずつ緊張が解けていった。
その頃。
つむぎはお菓子を食べていた。
二袋目だった。
「歓迎会参加してる?」
恵子が聞く。
「してるよ」
「どこが」
「食べる係」
「そんな係ないから」
夕方。
歓迎会も終盤。
純子が言う。
「何か困ったことがあったら相談してください!」
「純子先輩に?」
優子が聞く。
「私以外にも!」
みんなが笑った。
最後に歩美が言う。
「最初は緊張すると思うけど」
「明高荘はすぐ慣れるよ」
「たぶん賑やかすぎて」
華子が付け加える。
「それはもう分かりました」
奈緒が答えた。
「今日だけで分かった」
また笑い声が上がる。
歓迎会が終わる頃には、
あかりも奈緒もすっかり打ち解けていた。
帰り際。
「あしたも来ていいですか?」
あかりが聞く。
「歓迎会終わったのに?」
歩美が笑う。
「だって楽しいし」
明高荘らしい春が始まっていた。
新しい住人を迎え、また少し賑やかになった明高荘。
こうして西田あかりと星崎奈緒の新生活がスタートした。




