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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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3学期始業式


1月8日。


冬休みが終わり、3学期の始業式の日がやってきた。


朝。


101号室。


林歩美は目覚まし時計を見て固まった。


「……え?」


7時35分。


「遅刻する!!」


冬休み中の生活リズムが完全に崩れていた。


制服に着替え、髪を整え、鞄を持って飛び出す。


玄関を開けると、


同じタイミングで102号室のドアも開いた。


「華子!」


「歩美!」


遠野華子も寝坊していた。


二人は顔を見合わせる。


「走る?」


「走る」


全力だった。


その頃。


201号室。


山下純子は余裕だった。


「昨日のうちに準備終わらせたからね!」


珍しく完璧だった。


しかし。


「あれ?」


「どうしたの?」


優子が聞く。


「上履きどこだっけ?」


「結局それか」


いつもの純子だった。


203号室。


東ゆりは参考書を鞄に入れていた。


「受験まであと少しか」


3学期は卒業や受験の時期でもある。


204号室。


寛子がお茶を飲んでいる。


「まだ出ないの?」


「あと一口だけ」


相変わらずマイペースだった。


登校。


校門前。


「間に合った……」


歩美が息を切らす。


「冬休み明け初日から疲れた」


華子も同じだった。


講堂では始業式が始まる。


校長先生の話。


新年の目標。


3学期の心構え。


生徒たちは静かに聞いている。


「眠い」


華子が小声で言う。


「分かる」


歩美もうなずいた。


始業式が終わる。


教室へ戻る。


久しぶりにクラスメイト全員が集まった。


「明けましておめでとう!」


「あけおめ!」


あちこちで声が飛び交う。


冬休みの思い出話。


お年玉の話。


初詣の話。


授業はまだ少ない。


でも、


「冬休みが終わった」


という実感だけは十分にあった。


放課後。


明高荘へ帰る道。


「3学期始まっちゃったね」


歩美が言う。


「早いよね」


華子が答える。


「この前までクリスマスだったのに」


「その前は文化祭だった気がする」


二人は笑った。


明高荘へ帰ると、


純子たちも戻ってきていた。


「今年最初の放課後だ!」


「大げさだなあ」


優子が言う。


それでも、


どこかみんな楽しそうだった。


新しい年。


新しい学期。


卒業する人もいる。


進級する人もいる。


だけど今はまだ、


いつもの明高荘の日常が続いている。


歩美は夕焼けに染まる明高荘を見上げた。


「3学期も、きっと楽しくなるね」


その言葉に、


みんなが静かにうなずいた。

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