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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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35/115

明高荘、大掃除の日


12月29日。


朝9時。


明高荘の廊下に住人たちが集まっていた。


「それでは年末恒例、大掃除を始めます!」


山下純子が紙を掲げる。


「なんで仕切ってるの?」


遠野華子が聞く。


「昨日の夜に勝手に担当表作ったから!」


「迷惑なやる気だなあ」


純子が配った紙には担当が書かれていた。


1階


歩美


華子


あけみ


涼子


2階


純子


優子


ゆり


寛子


3階


初美


恵子


つむぎ


「304号室は?」


歩美が聞く。


「空室だから最後に全員でやる!」


純子が答えた。


掃除開始。


101号室。


歩美は机の引き出しを整理していた。


すると奥からプリントが出てくる。


「これ一学期のだ……」


さらに出てくる。


「これもだ……」


「大発掘大会だね」


華子が笑う。


102号室。


華子の部屋では本棚整理が行われていた。


「この漫画懐かしい!」


「掃除しなよ」


歩美が呆れる。


「休憩も大事だから」


「まだ始めて十分」


103号室。


あけみは慣れた手つきで掃除機をかけていた。


部屋はもともときれい。


「もう終わりそう」


涼子が驚く。


「普段からやってるからね」


104号室。


涼子の部屋。


冷蔵庫を開ける。


「うわ」


「何?」


「ピザ屋の試作品の箱が三つ出てきた」


「食べる?」


「食べる」


掃除は一時中断した。


二階では。


優子が何かを探していた。


「どうしたの?」


ゆりが聞く。


「掃除用雑巾なくした」


「掃除中に?」


「うん」


「才能だね」


寛子が感心する。


203号室。


受験生のゆりは参考書を整理していた。


「去年の模試だ」


「頑張った証拠だね」


寛子が言う。


「見返したくはないけど」


三階。


初美と恵子はベランダ掃除。


「社会人になると大掃除も本気になるね」


恵子が言う。


「休みが貴重だからね」


初美もうなずく。


303号室。


岡つむぎの部屋。


「物が少ない……」


歩美が驚く。


「捨てすぎた結果」


つむぎが答える。


「極端だなあ」


昼。


全員が弓木家に集合。


テーブルには豚汁とおにぎり。


「うまい!」


優子が叫ぶ。


「掃除後のご飯ってなんでこんな美味しいんだろう」


華子が言う。


午後。


最後は空室の304号室。


ドアを開ける。


「広いなあ」


歩美が言う。


家具が何もない八畳の部屋。


「ここに誰か入るのかな」


あけみが言う。


「どんな人だろうね」


涼子も興味津々。


掃除をしながら、みんなで想像を膨らませる。


夕方。


大掃除終了。


廊下も階段もピカピカ。


「終わったー!」


純子が両手を上げる。


「今年も色々あったね」


歩美が言う。


文化祭。


修学旅行。


誕生日会。


クリスマス。


たくさんの思い出が浮かぶ。


夕焼けに染まる明高荘を見ながら、華子がつぶやく。


「これで新年を迎えられるね」


「その前に大晦日だけどね」


優子が言う。


「年越しそば楽しみ」


その一言に、みんながうなずいた。


こうして明高荘の大掃除は無事終了。


新しい年まで、あと少しだった。

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