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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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26/115

午後、カフェは立ち上がる


売り切れ事件からしばらく。

午前の嵐が嘘みたいに、教室は少し静かになっていた。


「……終わった?」

林歩美がぽつりと聞く。


「終わってない」

山下純子は即答する。


「まだ午後ある」


■再起動フェーズ


まず始まったのは“再建”。


紙コップ再配備


砂糖補充(緊急で職員室から借りる)


メニュー再編


気合いの再注入


「カフェっていうか補給基地だねこれ」

遠野華子の一言が妙に的確だった。


■午後メニュー、変更


黒板が書き換えられる。


「午後限定メニュー」


冷たい紅茶(安定供給)


パンセット(焼ける分だけ)


謎の“午後ブレンド”


水(安定の主力)


「一周回って強いな」

歩美が笑う。


■客層が変わる


午後になると空気も変わる。


昼ピークで来た人たちが再来店


文化祭巡り中のグループ


なぜか落ち着いた常連化した生徒


「ここ、午前で終わった店じゃない?」

「午後からが本番らしいよ」


噂が勝手に進化していた。


■“余裕”が戻る瞬間


午前の地獄とは違い、少しだけ呼吸ができるようになる。


弓木さやかが紙コップを積みながら言う。


「午前がバグだっただけでは?」


しずくがうなずく。


りんが一言メモを書く。


「正常化」


■カフェっぽさ、復活


午後の光が窓から斜めに入る。


コップに入った紅茶が少しきれいに見える。


「……なんかさ」

華子が言う。


「今だけ普通のカフェじゃない?」


歩美も同意する。


「午前の記憶消えたら完璧だね」


■山下純子の締め


「午後は“安定運転”でいくよ」


誰かが聞く。


「午前は?」


即答。


「事故」


■そして時間は流れる


注文は落ち着き、列も短くなり、

教室には少し余裕が戻る。


でも、その“落ち着き”の中に、

ちゃんと文化祭の楽しさが残っていた。


歩美はふと気づく。


(忙しすぎても楽しいし、落ち着いてても楽しいんだな)


窓の外では、他のクラスの笑い声が聞こえる。

文化祭はまだ終わらない。


でもこのカフェは、少しだけ呼吸を取り戻していた。

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