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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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夏休み終了間近


8月の終わりが近づくにつれて、明高荘の談話室にはどこか落ち着かない空気が漂っていた。蝉の声だけは変わらず元気なのに、テーブルの上には開きっぱなしのノートやスケッチブックが増えていて、それを見た林歩美は「これ絶対終わらないやつじゃん」とぼやくように言い、隣で本を読んでいた遠野華子に「今さら気づいたの?」と静かに返されていた。


そこへ弓木ちかが勢いよく入ってきて、「ねえ遊ぼうよ、外行こうよ」と明るく誘うが、歩美はプリントを指差しながら「無理無理、今これやらないと本当に終わる」と答え、ちかは「えーつまんない」と頬を膨らませながらも机の上を覗き込んで「これ全部宿題なの?多くない?」と素直に驚いている。


少しして斉藤涼子がバイト帰りに原付で戻ってきて、「まだみんな宿題と戦ってるの?」と笑いながら麦茶を一気に飲み、「まあ夏休み終わる前って毎年こんな感じだよ」と軽く言うと、歩美は「それ余裕ある人のセリフでしょ」と突っ込むが、涼子は「余裕っていうか慣れかな」とあっさり返していた。


岡つむぎはソファの端でノートを眺めながら、「焦ると余計進まなくなるんだよね」とぽつりと言い、それを聞いた華子が「その言葉が一番危ないやつ」と小さくため息をつくが、なぜかその一言で少しだけ空気が緩む。


午後になると、ようやく全員が机に向かう時間ができて、歩美が「よし、今度こそ集中する」と言えば華子は「それ午前中にも聞いた」と返し、純子は「まあやるしかないよね」と現実的にまとめ、優子は黙々と資料を整理していた。ゆりは「静かな時間って意外と進むよね」と言いながらペンを走らせている。


しかし三十分後には歩美が「ちょっと休憩」と言って机に突っ伏し、華子が「休憩早すぎる」と呆れつつも完全には止めないため、結局また談話室はいつものゆるい空気に戻っていく。


そこへちかが「これやろう!」とトランプを持ち出し、歩美が「いや勉強は?」と聞きながらもカードを受け取ってしまい、涼子が「まあこうなると思った」と笑い、つむぎが「こういうの嫌いじゃないかも」と小さくつぶやく。


夕方、りんが麦茶を持って現れて「進んでる?」と聞くと、歩美は一瞬止まってから「まあ……ぼちぼち?」とごまかし、華子は「聞かないであげて」と視線を外し、りんは「まあ、毎年こんな感じだね」と少しだけ笑っていた。


窓の外では夕焼けが少しずつ広がっていて、夏休みの終わりが近いのに、明高荘の中だけはまだいつもの時間のまま流れていた。


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