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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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18/113

みんなで姫路城へ


夏休みも中盤に差しかかった8月のある日。


談話室では珍しく朝から全員が集まっていた。


発案者は斉藤涼子だった。


「せっかくの夏休みなんだし、どこか観光に行かない?」


「どこに?」


歩美が聞く。


涼子は一枚の観光パンフレットを広げた。


そこには真っ白な美しい城が写っている。


「姫路城」


「おおー!」


歩美が身を乗り出した。


こうして、


歩美、華子、純子、優子、ゆり、寛子、


あけみ、涼子、


恵子、初美、つむぎ、


そして弓木家のりん、しずく、さやか、ちかも参加することになった。


総勢十五人近い大遠足である。


朝早く出発し、電車を乗り継ぐ。


車内でも賑やかだった。


「姫路城って何年前に建てられたの?」


ちかが聞く。


「かなり昔だよ」


しずくが答える。


「ざっくりだなあ」


純子が笑った。


やがて姫路駅に到着。


駅前から大通りをまっすぐ進むと――


遠くに白い天守閣が見えてきた。


「見えた!」


歩美が指を差す。


「本当に大きいね」


華子も見上げる。


姫路城に近づくにつれて、その迫力はどんどん増していった。


真っ白な外壁。


美しい屋根。


青空との対比が見事だった。


「絵になるなあ」


寛子がつぶやく。


美術科の面々も興味津々だった。


華子はスケッチブックを持ってくれば良かったと少し後悔している。


涼子はさっそくカメラを取り出した。


「みんなこっち向いてー」


集合写真を撮る。


ちかはなぜかピースを二重にしていた。


城内へ入る。


急な階段を登るたびに声が上がる。


「きつい!」


歩美が言う。


「運動不足だね」


ゆりが笑った。


一方で、ちかは元気いっぱい。


「次行こう!」


「待ってー!」


高校生組の方が疲れていた。


天守最上階に到着すると、街並みが一望できた。


遠くまで続く景色。


吹き抜ける風。


「来てよかったね」


あけみが言う。


みんな頷いた。


その後は城の周辺を散策した。


お土産を見たり、


写真を撮ったり、


木陰で休憩したり。


つむぎも最初は乗り気ではなかったが、歴史ある建物を見ているうちに楽しそうな表情になっていた。


昼食はみんなで近くのお店へ。


食事をしながら感想を話し合う。


「思ったより広かった」


「階段が大変だった」


「景色がきれいだった」


話題は尽きない。


帰りの電車。


朝の賑やかさとは違い、かなり静かだった。


みんな歩き疲れていたのである。


ちかですら少し眠そうだった。


「楽しかった?」


りんが聞く。


「うん!」


ちかは即答した。


夕方、明高荘へ戻る。


談話室で涼子が撮った写真をみんなで見る。


白い城。


笑顔の集合写真。


天守からの景色。


どれも今日の思い出だった。


「またどこか行きたいね」


歩美が言う。


「今度は涼しい時期にね」


華子が答える。


その意見には全員が賛成だった。


こうして明高荘一行の姫路城観光は、楽しい思い出と少しの筋肉痛を残して幕を閉じたのだった。



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