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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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15/117

ホームセンターに行こう


夏休みのある朝。


談話室に集まっていた住人たちは、のんびりと雑談していた。


その時、弓木さやかが一枚のメモを持って現れた。


「今日はホームセンターに行きます」


なぜか宣言だった。


「何を買うの?」


歩美が聞く。


「土と苗です」


「なるほど」


誰も驚かない。


弓木家の家庭菜園では、夏野菜の収穫が続いていた。


しかし空いたプランターも増えてきた。


そこで新しい苗を植えることにしたらしい。


「一人で行くの?」


華子が聞く。


「せっかくなので誰か付き合ってください」


結局、


歩美、華子、純子、そしてさやかの四人で行くことになった。


ホームセンターに到着。


広い園芸コーナーには花や野菜の苗が並んでいる。


「広い……」


歩美は思わず見回した。


「ホームセンターってこんなに大きかったっけ」


さやかは迷いなく園芸コーナーへ向かう。


まるで自宅のような足取りだ。


「この苗いいですね」


「どれ?」


「バジルです」


「おしゃれ」


純子が言う。


さらにトマト、キュウリ、ナスの苗などを見て回る。


さやかは店員さんにも質問しながら真剣に選んでいた。


「意外と本格的なんだね」


歩美が感心する。


「育てるならちゃんと育てたいですから」


一方で歩美は別のコーナーに気を取られていた。


「見て!」


ガーデニング用の小さな置物を持っている。


「カエルだ」


「かわいい」


「それ苗じゃないよ」


華子が言った。


買い物を終え、袋いっぱいの土と苗を持って帰る。


一番重い土の袋は純子が運んでいた。


「重い……」


「ありがとうございます」


さやかが頭を下げる。


明高荘に戻ると、さやかはさっそく庭で植え付けを始めた。


歩美たちも少しだけ手伝う。


土を入れ、


苗を植え、


水をあげる。


単純な作業だが意外と楽しかった。


夕方。


作業を終えた一行は談話室で麦茶を飲んでいた。


「ちゃんと育つかな」


歩美が窓の外を見る。


「育ちますよ」


さやかは自信満々だった。


「収穫できたらみんなで食べよう」


純子が言う。


「賛成」


みんな頷いた。


こうしてホームセンターで買ってきた苗たちは、明高荘の夏を彩ることになる。


収穫の日を楽しみにしながら、住人たちはゆっくりと夕暮れを過ごすのだった。



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