みんなで市民プール
8月の暑い日曜日。
昼前から談話室には住人たちが集まっていた。
「暑い……」
林歩美がテーブルに突っ伏している。
「それ朝から三回目」
遠野華子が言った。
「だって暑いんだもん」
窓の外ではセミが元気に鳴いている。
エアコンは動いているが、それでも夏らしい暑さを感じた。
「そうだ」
山下純子が突然立ち上がる。
「市民プール行こう」
「おっ」
歩美が反応した。
「いいね」
東ゆりも賛成する。
こうして明高荘の住人たちは、近くの市民プールへ遊びに行くことになった。
午後。
プールへ到着。
家族連れや学生でにぎわっている。
「人多いね」
「あたりまえでしょ」
夏休み真っ最中なのだから当然だった。
それでも広いプールは開放感がある。
みんなそれぞれ自由に過ごした。
歩美は泳ぐより水に浮かんでいる時間の方が長い。
「楽だ……」
「泳ぎに来たんじゃないの?」
華子が笑う。
「浮くために来た」
「意味分からない」
一方、純子は意外と泳ぎが上手だった。
「速っ!」
「部活で鍛えたからね」
25メートルをあっという間に泳いでいく。
歩美は感心していた。
休憩時間。
売店で買ったアイスをみんなで食べる。
「生き返る」
「大げさ」
「いや、本当に」
歩美は真剣だった。
冷たいアイスは夏の日差しの中で格別だった。
夕方近く。
たっぷり遊んだ住人たちは明高荘へ戻る。
談話室で麦茶を飲みながら休憩。
「疲れたー」
「でも楽しかったね」
「夏休みっぽかった」
みんな頷く。
窓の外では夕焼けが広がっていた。
特別な事件も大きな出来事もなかった。
ただみんなで出かけて、泳いで、アイスを食べて帰ってきただけ。
それでも、そんな何気ない一日こそが明高荘の思い出になる。
「また行こうね」
歩美の言葉に、みんなは笑顔で頷いたのだった。




