山下純子エピソード『みんなを支える3年生』
山下純子。
明石高校美術科3年生。
明高荘では、
落ち着いた雰囲気でみんなを見守る存在だった。
高校1年生の頃。
明高荘に来たばかりの歩美や華子は、
まだ学校生活にも慣れていなかった。
「美術科って、思ったより大変ですね」
「作品作りって時間が足りないです」
そんな時、
相談に乗ってくれたのが純子だった。
「焦らなくて大丈夫」
「自分のペースで描けばいいよ」
純子は、
いつも静かに背中を押してくれた。
普段は穏やか。
でも、
作品制作になると真剣。
文化祭では、
展示作品の配置を考えたり、
後輩たちの相談に乗ったりした。
「この絵、もっと良くするにはどうしたらいいですか?」
歩美が聞く。
純子は作品を見る。
「この部分、あなたらしさが出てるよ」
「だから無理に変えなくてもいいと思う」
歩美はその言葉で自信を持てた。
2年生になった純子は、
優子と一緒に明高荘のお姉さん的な存在になっていく。
家庭菜園の収穫祭。
文化祭準備。
フランス研修旅行。
いろいろな出来事を、
みんなと一緒に経験した。
そして高校3年生。
進路や受験で忙しい一年。
それでも、
談話室では後輩たちと話す時間を大切にしていた。
「先輩、大学に行っても明高荘に来てくださいね」
歩美が言う。
純子は笑う。
「もちろん」
「ここは大切な場所だから」
卒業制作では、
3年間の思い出を込めた作品を制作。
テーマは、
人とのつながり。
学校。
明高荘。
仲間。
今まで出会った人たち。
純子らしい、
温かい作品になった。
合格発表の日。
大学合格を知った時、
明高荘のみんなが喜んだ。
「おめでとう!」
「ありがとうございます」
純子は笑顔だった。
でも、
少しだけ寂しさもあった。
もうすぐ、
明高荘を出る日が来るから。
卒業前の夜。
談話室。
歩美と華子が話す。
「純子先輩みたいになりたいね」
「うん」
優しくて、
頼りになって、
みんなをつなぐ人。
それが、
山下純子だった。
春。
純子は新しい道へ進む。
でも、
明高荘には、
純子が残した思い出と、
後輩たちへの言葉が残っている。
山下純子。
明高荘の3年間を支えた、
優しい先輩だった。




