受験の日、最後の挑戦の回
2月下旬。
冬の終わりが近づく頃。
明高荘の3年生にとって、
大切な日がやってきた。
大学入試の日。
純子と優子の本番の日。
朝。
まだ外は暗い。
明高荘の談話室。
いつもなら賑やかな時間。
でも今日は、
少し静かだった。
純子は受験票を確認する。
筆記用具。
時計。
必要なものを何度も確認する。
優子も準備を終える。
「いよいよだね」
「うん」
長かった受験勉強。
共通テスト。
自己採点。
進路相談。
卒業制作。
全部を乗り越えて、
今日を迎えた。
そこへ、
歩美と華子がやってくる。
「先輩、頑張ってください!」
あかりと奈緒も続く。
「応援しています!」
弓木家からも、
さやかたちが見送る。
「焦らず、いつも通りね」
ちかは小さなメッセージカードを渡す。
「合格できますように!」
純子は笑顔になる。
「ありがとう」
受験へ向かう道。
明高荘からの道。
今日は、
少し特別に感じる。
試験会場。
緊張した空気。
多くの受験生が、
それぞれの目標へ向かっている。
純子は席につく。
「ここまで頑張ってきた」
優子も深呼吸する。
そして、
試験が始まる。
時間いっぱい、
今まで覚えてきたことを出していく。
夕方。
明高荘。
みんなが帰りを待っていた。
「どうだったかな」
歩美が言う。
「きっと最後まで頑張ってるよ」
華子が答える。
夜。
玄関の音。
「ただいま」
純子と優子が帰ってくる。
「おかえり!」
みんなが迎える。
「疲れた……」
でも、
二人の表情は穏やかだった。
「やれることは全部やったよ」
優子が言う。
「結果はまだだけど、後悔はない」
談話室。
温かい飲み物を飲みながら、
少しだけ今日の話をする。
純子は後輩を見る。
「次は歩美たちの番だね」
「えっ、まだ先ですよ」
歩美が笑う。
「でも、本当にあっという間だよ」
その言葉に、
みんな少し静かになる。
3年生の時間は、
もうすぐ終わる。
庭の家庭菜園。
冬の土の中では、
春へ向けた準備が進んでいる。
受験という大きな一日を終えた二人。
明高荘には、
少しだけ春の空気が近づいていた。




