卒業制作完成
3月上旬。
明石高校美術科。
3年生の教室には、
いつもとは違う緊張感があった。
壁には、
たくさんの作品。
キャンバス。
立体作品。
デザイン作品。
3年間の集大成。
卒業制作発表会の日。
純子と優子にとって、
高校生活最後の大きな発表だった。
朝。
明高荘。
談話室。
「忘れ物ない?」
歩美が確認する。
「大丈夫」
純子が笑う。
「でも、ちょっと緊張するね」
優子も頷く。
「最後の作品だからね」
そこへ、
あけみ。
涼子。
初美。
恵子。
つむぎ。
みんなが集まる。
「絶対見に行くからね」
「楽しみにしてるよ」
後輩たちも応援する。
学校。
発表会場。
保護者や先生、
そして後輩たちが作品を見る。
歩美と華子は、
一つ一つの作品を見ていく。
「すごい……」
そこには、
3年生が過ごした時間が詰まっていた。
純子の作品。
テーマは、
「つながり」。
明高荘で過ごした日々。
学校で出会った仲間。
支えてくれた人たち。
それを表現した作品だった。
優子の作品。
テーマは、
「未来への一歩」。
高校を卒業して、
新しい場所へ進む気持ちが込められていた。
歩美は作品を見る。
「先輩らしいです」
純子は少し照れる。
「ありがとう」
先生から講評。
「技術だけではなく、経験や思いが作品になっています」
3年間の努力が認められる瞬間だった。
発表会の後。
明高荘。
談話室。
小さなお祝い会。
テーブルには、
さやかが用意した料理。
「卒業制作完成、おめでとう!」
みんなで拍手。
ちかも嬉しそう。
「本当に卒業しちゃうの?」
少し寂しそうに聞く。
優子が笑う。
「卒業しても、また遊びに来るよ」
純子も頷く。
「明高荘は大切な場所だから」
夜。
歩美は自分のスケッチブックを見る。
フランス。
文化祭。
家庭菜園。
そして、
今日の卒業制作。
先輩たちから受け取ったもの。
それは、
絵の技術だけではなかった。
仲間との時間。
思い出を大切にする気持ち。
明高荘で過ごす毎日。
春が近づいている。
3年生の卒業。
別れの季節が、
少しずつ近づいていた。




