卒業制作スタート・3年生最後の作品
2月下旬。
明石高校美術科。
3学期も後半に入り、
3年生にとって大切な時間が始まった。
卒業制作。
高校生活最後の作品。
3年間学んできたことを、
一つの作品に込める。
美術科の教室。
いつもより静かな空気。
キャンバス。
画材。
スケッチブック。
それぞれが自分の作品と向き合っていた。
純子と優子も、
制作に取り組んでいた。
「最後の作品か……」
優子がキャンバスを見る。
入学した頃。
初めて絵を描いた日。
文化祭。
後輩たちとの時間。
明高荘での毎日。
全部が思い出になっている。
純子は下書きを見ながら言う。
「3年間の自分を残したい」
先生も頷く。
「上手に描くことだけが作品ではありません」
「今の自分が何を感じているかを大切にしてください」
放課後。
明高荘。
談話室。
歩美と華子は、
先輩たちの話を聞いていた。
「卒業制作って、やっぱりすごいですね」
あかりが言う。
奈緒も作品の写真を見る。
「私たちもいつか作るんですね」
「その時はきっとあっという間だよ」
優子が笑う。
歩美は少し寂しくなる。
いつも談話室にいた先輩。
相談に乗ってくれた先輩。
もうすぐ卒業する。
一方、
弓木家では。
さやかが春の家庭菜園準備をしながら話していた。
「3年生は卒業の季節かぁ」
「寂しくなるね」
しずくが言う。
ちかは少し考える。
「でも、また遊びに来てくれるよね?」
「きっと来てくれるよ」
りんが答える。
明高荘。
夜の談話室。
純子と優子の卒業制作の話になる。
「どんな作品になるの?」
歩美が聞く。
純子は少し照れながら答える。
「まだ秘密」
優子も笑う。
「完成したら見せるね」
その言葉に、
みんな楽しみにする。
3年生最後の作品。
それは、
ただの絵ではない。
明石高校で過ごした時間。
明高荘で過ごした日々。
仲間との思い出。
全部が詰まった作品になる。
春はもうすぐ。
卒業という大きな節目が、
少しずつ近づいていた。




