冬休み、明高荘大掃除の回
12月末。
冬休みに入り、
明高荘にも少しゆっくりした時間が流れていた。
朝。
談話室。
さやかが予定表を書く。
「今日は大掃除の日!」
「やっぱりやるんだ……」
歩美が笑う。
年末の大掃除は、普段できない場所を整理する良い機会。
明高荘の3階建ての建物も、
一年分の汚れを落とす日になった。
「担当を決めよう」
あけみが提案する。
1階。
廊下。
談話室。
庭。
それぞれ担当が決まっていく。
「私は家庭菜園を見るね」
もちろん、
さやかは庭担当。
庭。
夏に大活躍した畑。
今は少し寂しい姿。
トマトの支柱。
とうもろこしの跡。
大葉がいっぱい育った場所。
「今年はすごかったね」
歩美が言う。
「来年もいっぱい育てるよ」
さやかが答える。
「とうもろこし再挑戦!」
ちかが宣言する。
「まだ失敗すると決まってないよ」
しずくが笑う。
室内では。
華子とあかりが本棚を整理していた。
「美術の資料、多いね」
「先輩たちの作品もいっぱいありますね」
あかりが驚く。
歩美は古いスケッチ帳を見つける。
「去年描いた絵だ」
文化祭。
夏の思い出。
家庭菜園。
一年分の記録。
「明高荘って、思い出が多いね」
華子が言う。
2階。
純子と優子は自分たちの部屋を整理していた。
高校3年生。
卒業が近づいている。
「この部屋とも、あと少しなんだね」
優子が言う。
「寂しいけど、最後まで頑張ろう」
純子が答える。
3階。
りん、しずく、ちかも掃除中。
「ちか、そこ掃除した?」
「した!」
「本当に?」
確認すると、
まだ少しホコリが残っていた。
「もう一回!」
みんな笑う。
夕方。
明高荘全体がきれいになった。
談話室。
みんなで温かい飲み物を飲む。
「今年も色々あったね」
あけみが言う。
フランス研修旅行。
文化祭。
夏野菜収穫祭。
たこ焼き大会。
たくさんの思い出。
「来年はどんな一年になるかな」
歩美が言う。
さやかは窓の外を見る。
冬の畑。
まだ何もないように見える。
でも、
春になれば新しい芽が出る。
「来年も楽しみだね」
明高荘の新しい一年へ向けて、
静かな準備が始まっていた。




