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明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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期末テスト前夜


7月上旬。


明石高校では期末テストが近づいていた。


いつも賑やかな明高荘の談話室も、今日は少し雰囲気が違う。


テーブルの上には教科書やノートが山積みになっていた。


「数学が分からない……」


林歩美が机に突っ伏す。


「どこが?」


遠野華子が聞く。


「最初から」


「範囲全部じゃない」


華子は歩美のノートを見る。


数式の横には謎のメモや落書きが並んでいた。


「勉強してたの?」


「してたよ!」


「いつ?」


「昨日の夜」


「何分?」


「十五分」


談話室に笑いが広がった。


山下純子は英語の単語帳をめくっている。


島居優子は歴史の年表を眺めていた。


東ゆりは比較的余裕そうだ。


「みんな焦ってるね」


「焦るよ!」


歩美が即答する。


しばらくすると、自然と勉強会になった。


分からない問題を教え合う。


美術科とはいえ、普通科目のテストは避けられない。


「この公式どう使うの?」


「まず問題を読むところから」


「厳しい」


歩美は頭を抱えた。


夜になると、みんな少し疲れてきた。


集中力も切れ始める。


「休憩しよう」


ゆりが提案した。


お茶とお菓子が並ぶ。


「生き返る……」


歩美は大げさに言った。


「まだ何も終わってないよ」


華子の言葉は容赦なかった。


休憩後。


再び勉強開始。


今度は美術史の確認だ。


ここだけはみんな少し元気になる。


「これは知ってる!」


「さすが美術科」


「普通の勉強もこれくらい覚えられればなあ」


純子がぼやいた。


そしてテスト当日。


朝の談話室。


みんな眠そうな顔で集まっていた。


「勉強した?」


「した」


「したけど不安」


「同じ」


そんな会話をしながら学校へ向かう。


数日後。


テスト返却の日。


談話室には答案用紙が並んでいた。


「終わった……」


歩美が言う。


「良かったの?」


華子が聞く。


「終わった、の意味」


どうやら結果は察してほしいらしい。


談話室に笑い声が響いた。


大変だった期末テストも終わり、いよいよ夏休みが近づいてくる。


住人たちはそれぞれの答案を見ながら、夏の予定に思いを巡らせるのだった。


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