完全蘇生
ルギア達の案内でリープ達はエリシュオンの花畑まで辿り着いた。
(オルキス)
『マチルダの生い立ちは何となく分かったけどさ』
『リープの問いでまだ一つ分からない事が有るんだけど?』
『死霊操術に完全蘇生なんて御大層な名前の術が有ると言うことは』
『内界では実際に死者蘇生が行われて成功したんだろ?』
死霊操術は死者をフェイリアモンスターと言う、
モンスター化させる事で擬似的な死者蘇生を図った術で
モンスターは体内のマナが枯渇すれば消滅するため絶えずマナを求めて
人や動物や時に他のモンスターを喰らってマナを取り込む事で生存し続ける。
マチルダは、マナの濃度が濃ければフェイリアモンスターから更に
生者として蘇生可能だとも言っていた。
(マチルダ)
『私達内界組は魔狩りと書いてネオンと読む組織に所属していた話しは』
『前にルギアからも聞いたね?』
『正確には死霊操術を完成させたのは父だけど』
『完全蘇生術を完成させたのは父さんの弟子だったシドなんだ……』
それは本当に偶然だった、作戦の最中殉職したシドを上層部の意向で
フェイリアモンスターとして蘇生させる事が決まり、
シドに死霊操術を施した場所が内界でもマナの濃度が濃く、
近くに居合わせた隊員達が完全蘇生に必要なエリクシール、ユニコーンの角、
マナの輝石を持ち合わせた為に一度完全に絶命したシドは
再び人として蘇ったと言う。
(ガオウ)
『フェイリアモンスターとして蘇った隊員達はフェアリオと呼ばれ』
『ネオンが保有するマナの輝石を動力に生き続けるんだ』
例えば軍隊でも動物を一部兵器として運用する事が有るが
ネオンの扱うフェアリオも元が人間とは言えそれに当たる。
死して尚もモンスターを狩り続けるのがネオンの理念。
(リュウカ)
『そして……シドは完全蘇生した事で人とモンスターの境界だった』
『マナの供給を必要とし無くなった……』
当時のネオンでもシドの扱いは意見が割れたという、
本来猟犬としてフェイリアモンスター化させた男がマナを必要とせず
生前の記憶と理性を保っていたのだから。
人として接するかモンスターとして家畜として接するか。
(カオス)
『結果シドはフェイリアモンスターを用いた蘇生術を完成させ』
『それを立証した事で人としての証明と同時に隊長の地位まで手にしたんだ』
『特にネオンに支援してた、お偉いさん方の身内を優先して蘇生させる条件で』
『自身の地位を確立させてな』
ただ外界もそうだが、内界にしても完全蘇生に適したマナの濃い場所が少なく
仮に成功したとしてもマナの濃さは日によって異なる為、
昨日成功したとしても今日も成功するとは限らなく、
人工的にマナの濃度を調整する研究所を設立したが、
その為には大量のモンスターを狩り、よりマナの輝石を手に入れる必要があるが
マナの輝石を集めるにはモンスターを狩る必要が有り、
モンスターを狩れば死傷者が出て、
死傷者が増えればその分必要なマナの輝石の数も増える悪循環に陥ってる。
(リュウカ)
『それにマナの輝石にもランクが有って』
『完全蘇生に必要な輝石はより純度の高い物が求められます……』
『仕留めたモンスターの輝石が』
『規定値に達しなければ、より多くのモンスターを狩るので』
『多くの人を蘇生させる事は出来ません』




