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偽名?


「本当に、何が起こっているというのだ……」


 俺は深く椅子に寄りかかりながら、今朝早くに届けられた緊急報告書を机の上に投げ捨てる。


 海龍が、黒海の外側で現れただと?

 そんな話は聞いたことない。

 海龍とは、黒海の中にだけ数百年に一度現れる海の怪物では無かったのか?

 それが連日現れた上に、更には人の住む島を襲った?


 ふざけろ。完全に、俺がどうにか出来る範囲を超えているではないか。


「しかし、この情報は本当か?」


 報告書では、港に現れた海龍を少年が悪器と思われる武器を使い撃退したと書いてある。

 正直とても信じられないが、現に【悪食】が現れたにも関わらず、島への被害はほぼゼロに等しい。


「名前は……テンジョウアホ? これは名前なのか? それとも、どこかの家名か?」


 どうやら、少年は海龍との戦闘で重傷を負っているらしく身元の確認が出来ないらしいが、付き添いの身元引受人いわく遠くからの客人らしい。


「身元引受人の名前は……オズ・オルフェウス。演奏家貴族か」


 演奏家貴族の客人が、戦闘が得意だとは思えないが…………。


「……臭うな」



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