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蒼井小話帖  作者: 蒼井 つばさ


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【クスッと】りんごと、いちごと、ぴんくのくれよん

これはある日の夜、消灯後のベッドでのお話。


この日は、保育園から帰宅してから夕食に至るまでの時間も、普段より遅い日だった。

いつもなら消灯しているはずの時間になっても、寝室の照明は煌々としていた。


眠たいはずなのに、テンションは上がりきっている様子だ。

どうにか消灯に漕ぎ着けてもベッドの上でまだ遊んでいた娘を、どうにか寝転がらせる。


「今日さ、保育園でぴんくのクレヨンでお絵描きしたんでしょ?」


連絡帳に書かれていたことをふと思い出したので訊いてみる。


すると

「りん、ぴんくのくれよんすきー。」

と返ってきた。


「ピンクのクレヨン好きなんやね?」

「りんごすきー。」

「あぁ、りんごの絵が書いてあるやつ好きだよね!今日のパジャマもりんごの絵描いてあるしね!」

「ぱじゃまのりんご、すきー。」

りんご柄(この)パジャマお気に入りだもんね!」

「いちごすきー。」


と、他の“好きなもの”が返ってきたので


「ねぇ、りんが一番好きなものはなぁに?」


と訊いてみた。


「りんごとー、いちごとー、ぴんくのくれよん!」


返ってきた答え。

なんと、贅沢フルセット。笑


「そうなんや!じゃあさ、ママの一番好きなもの知ってる?」


質問してみると

「いちご!」

と、自信満々に返ってきた。


うん。

確かにいちごは好きだ。


だが、今回の答えはソレだと不正解なのだ。


「違うよぉ。ママが一番好きなのはりんたんだよぉぉ!」


そう言って、隣で寝転がっている娘を抱きしめる。


「ちがうでしょ!まま、いちごすきでしょ!」

「いちごも好きだけど、一番はりんたんだもん!」


そう抗議をしてから、もう一度

「りんたんは?」

と、訊き直してみる。


すると、間接照明の灯る薄暗い部屋でもわかるほどのキラキラ輝く瞳で


「ままぁ。」


と、1億点満点な笑顔を添えて返ってきた。

キュンとしながら、その言葉に満足していると


「ままは?」


ときた。


…おや?

もしやこれは…


「りんー!」

もう一度抱きしめる。

すると腕の中から


「『りんは?』してー?」


どうやら、予感は的中らしい。


「りんは?」


「ままぁ。ままは?」


「りんー!りんは?」


「ままぁ。ままは?」


ふたりで笑いながら、何度も繰り返した世界一愛おしいコールアンドレスポンス。


寝かしつけへの初動が遅い日なうえに、なかなか眠らない娘ではあったが。


…なんて幸せな夜なんだろう

このあと、私の手を握りながらいつの間にか眠っていた娘。


「ままが…するの…。」

と言うでごとが聞こえてきました。


どうやら夢の中でも、甘えん坊発揮しているらしい娘。


そのあとも時々

「ふふっ…。」

と笑う寝言も聞こえてきました。


『幸せな夢を見ているんだなぁ。』

と、微笑ましく思いながら。

私はスマホを閉じたのでした。


…とは言うものの

『忘れないうちにメモっとこう!』

と、暗闇の中でスマホのメモ機能に文字を打ち込んでいたんですけども。笑

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