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【第三章スタート!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった  作者: 初雪空
第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて……
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Beginning! 高校生探偵とクール少女

室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!

https://hatuyuki-ku.com/?p=707

 魔法学校に編入した俺は、水鏡(すいきょう)アレーテと共に1年の学籍を得た。


 私立の強みを活かし、高校の卒業資格を得られる内容だが、ほぼ自習に近い。


 一応、自分の所属するクラスと、共同作業はあるようだ。


(観察特区として、異能があるか訳ありの高校生をぶち込んだ……)


 特に問題のない学生は、そいつだけ特区の外にある学校へ通わせ、社会復帰をさせているとか。


「さしずめ、特区は重罪人の収容所だな!」


 俺は、どこかの準備室のようなハーフサイズの教室で、椅子に座っている。


 窓のほうを見れば、異能やオカルトにあふれた場所であることを忘れそうな、普通の光景だ。


 視線を戻せば、ノートパソコンのモニターに、検索した結果。


“大学教授を含め、行方不明者は10人ほどに! 警察の捜査は難航しており――”


 再び、せまい準備室を見回す。


「探偵部……。例の売春クラブで悪い噂があるから、依頼人はいないか」


 独白したが、答える者はいない。


 ここは、新設した探偵部の部室。


 とりあえず、5人ぐらいの部員を集めての発足。


 ただし、俺とアレーテだけ。


「生徒会で副会長の夢咲(ゆめさき)アリアを部長にしたが……」


 彼女には、貸しがある。


 涙目のまま、分かったにゃ! と、キャラ崩壊をしつつの了承。


 しかし、まだ足りない……。


「名義を貸してもらうにしても、OKする奴がいない」


 ただでさえ評判が悪く、反対した連中の1人を辞めさせた直後……。


「アレーテが勧誘しているが、無理だろうな!」


 綾ノ瀬(あやのせ)奈々美(ななみ)もいる。


 残り1人を集めなければ、同好会レベルも無理。


 遠からず、廃部だ。


(来年度は、夢咲先輩が卒業するし――)


 その時、ノック数回。


 引き戸が、横へ動く。


 ガラガラという音で、アレーテと、その後ろに女子2人。


「名義を貸してくれそうな2人を連れてきましたわ!」


「よくやった! (いずみ)は知っているけど……」


 もう1人は、初見だ。


 無言で会釈した女子は、泉佳乃(よしの)と同じロリ系。


 長い銀髪をツインテールで、白い肌に金色の瞳。


天城(あまぎ)梨理香(りりか)です……。はじめまして」



 お互いの自己紹介を済ませて、探偵部で座れる場所にいる面々。


 アレーテを除き、女子2人は出入口の引き戸を背にしたまま。


(すぐ逃げ出せるよう、危機感のある対応)


 そう思っていたら、梨理香が俺の顔を見た。


「水鏡さん……(さい)さんのほうです。私たちはゲーム部にいまして、良かったら遊びに来ないかと誘いに来ました」


 それはいいが……。


「嬉しいけど、突然だな?」


「深い意味はありません……。うちも肩身がせまく、廃部にされないために横の繋がりが欲しいんです。具体的には、綾ノ瀬さんの後ろ盾」


 呆れつつも、答える。


「正直だな……。こちらも、廃部を避けるために数人の名義が欲しい! 無理にとは言わないけど」


「分かりました。名義貸し……兼部については、改めて返答します。とりあえず、うちに来ませんか?」


 クールな感じだが、それにしてはグイグイ来るな?


 そう思いつつ、全員で移動する。


 なお、佳乃はずっと梨理香を見て、やめときなよ? と訴えていた。


(無言の圧力)



 ――ゲーム部


 中へ入ったら、誰が持ち込んだのか、スナックやペットボトルがそこかしこにある。


 天城梨理香が簡単に紹介したら、三々五々に返事があった。


 自己紹介をする気はないようだ。


 男女が数人。

 甘酸っぱい雰囲気は、なし。


 彼らは携帯ゲーム機やコミックに目を落とすか、コントローラを握り直す。


(緩いな……。意識が高ければ、俺を排除したか!)


 梨理香は、食べ終わった袋などをゴミ箱に捨てつつ、俺たちが座る場所を確保した。


 どうやら、彼女が掃除をしているようだ。


 壁の張り紙に、“ゲーム機、コミックの持ち出しは厳禁!” と注意事項。


 床に色々と置かれているも、虫が出る印象はなく、清潔感。


 今は締め切っているが、定期的に換気をしているらしい。


 ノートパソコンを準備した梨理香が、俺の顔を見た。


「才さん? これは、私が作ったゲームです。お忙しいかもしれませんが、クリアしてください。そうしたら、私が名義を貸します」


 クール系で可愛い美少女は、俺を見つめたままで、付け加える。


――あなたに、未来を変えられますか?


 後になって思えば、梨理香は諦めていたのだろう。


 起動した同人ゲームは、ノートパソコンをSF的なパニックホラーに変える。


 3Dグラフィックで描かれたワイヤーフレームは、回転しつつ、どこかの施設の全体を示す。


 ビイイイイッと、文字が増えていく音と共に、タイトル画面。


 “アルカディア”


 梨理香の、どこか疲れた声。


「月面にある研究施設……アルカディアは、小国ほどの人数で多層構造」


“アルカディアとの通信が途絶した。繰り返しの催促にも応じず”


“三次の調査隊も全滅した”


“以下に、第三次までの情報を示す”


 アルカディアにいる人員は、全滅したと見なす。

 生存者との接触も禁止。


 上層部は、何らかの超常的な存在、または、パンデミックと判断。


 俺の耳元で、梨理香が囁く。


「良い終末を……」

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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