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得体の知れない秘密(4)

「まあ、コミュ障だし、友達いないし、大丈夫だとは思うけど…………」

「小さい頃から放置されて育ったわけじゃなし、そんなに心配しなくても大丈夫だ。どういう形であれ必要な教育は受けた」

「稜希のお父さんやお母さんって、どうして両親ともいないの?」

「両親ともに同じ仕事をしているからだな」

「なんの仕事してるの? こんなに長い付き合いだけどあたし知らない」

「オレも詳しくは知らないんだが…………たしか父親がコンピュータのハードを作る仕事で、母親がシステムを作る仕事とか言っていたかな」

「なんで家族のアンタが知らないのよ…………」

「話された当時は興味なかったし。転職したという話も聞いてないから今もそのままなんだろ。働く年齢が近くなってきた今はちょっと話を聞いておきたい気持ちはあるが」

「じゃあ、稜希の両親が日本の未来を支えているんだね」

「そんなたいそうなもんじゃないと思うが…………まあそう思っていてもいいのかもしれないな」

「お父さんがパソコンのハードを作る仕事をして、お母さんがソフトを作る仕事ってことはそれだけでパソコン1台が動いちゃうね」

「それだけじゃパソコンは動かないと思うぞ。いろんな人の、いろんな協力があって世に出る、そういうものだと認識しているが。詳しくはしらんけど」

「お父さんやお母さんから、仕事の内容を話されたこととか、ないの?」

「あのな。ああいう最先端の仕事はNDAでしゃべるなって厳しく言われているもんなんだよ」

「え、えぬ・でぃー・えー…………って、なに?」

「秘密保持契約。実際にうちの両親が締結しているかどうかは知らんが、業務上で知り得た情報とか研究開発中の情報を外に漏らすなよ、って契約」

「つまりお仕事の内容を稜希にさえ話すことができないってわけか。それはかわいそうだね」

「かわいそうなのか…………? まあいまどきはあえてNDAを結ばないところもあるそうだぞ、アメリカのシリコンバレーとか」

「そうなのね。あたしも詳しくは知らないからふんわりと聞いておくだけになっちゃうけど」

「お互いよくわかってないんじゃねえか」

「あは。そういうこともあるよ」

「まあうちの両親は今どこで勤務しているかも知らないし、そもそもどこで開発しているかさえも非公開らしいし、もしかしたら海外にいるのかもしれないな」

「そんなに大規模な仕事なの?」

「相手は世界だからな。世界中で使われるなにかを開発しているんだろ。それだったら日本国内だけにとどまっている理由もない」

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